過去おこなわれた経産省主導の「日の丸連合」、失敗に終わった苦い経験
ただ、ラピダスとLSTCが日本の半導体産業の復活につながる保証はない。
半導体業界では過去に、経産省主導の「日の丸連合」が失敗に終わった苦い経験がある。1999年に日立製作所とNECの半導体メモリー事業を統合し、その後「エルピーダメモリ」となったが、公的資金をつぎ込んだ末に2012年に経営破綻し、米半導体大手マイクロン・テクノロジーの傘下に入った。
三菱電機、日立、NECの半導体部門が統合した「ルネサスエレクトロニクス」は巨額の赤字経営が続き、13年に官民ファンドの産業革新機構とトヨタなど取引先8社から、計1500億円の出資を受けた。不採算事業からの撤退が奏功し、現在は自動車向けのマイコンを中心に業績は回復したが、「日の丸」を背負う力はない。
新「日の丸半導体」とも期待されるラピダスも、順調に育つか、懸念の声が早くも出ている。