きょうは50代のDさんがいらっしゃっています。
「スーパーやコンビニに行くと、食料品の値上げを実感しますね。本当に欲しいものというか、スーパーのプライベートブランドの少し安いものを選んでいる自分がいます。選択肢を減らしていることでなんだか、心まで貧しくなっている気がしていますね......」
今の心を貧しくしないために、10年後の自分にも目を向けてみる
最近、私もスーパーにいくと「あれ、こんなに高かったっけ」「この値段でこれだけしか入っていないの」と思うことはよくありますよ。「本当に欲しいものを買うこと」が一番いいと思いますが、毎回、毎回だとお財布にも優しくないですよね。私も値段で選んでしまうこともよくあります。
目の前の財布事情も大事なので、5回?10回に1回は本当に食べたいもの、他は価格で選んでしまってもいいと思います。我慢し過ぎない程度にしておいて......最近はプライベートブランドも意外と美味しかったりしますよね。
そこで心を貧しくしないために、目の前のことだけでなく、10年、20年後の自分にも目を向けてみましょう。数年前から「自律的、自分で考える力や行動する力」が必要だと言われていますが、これはいくつになっても必要なことだと思います。定年という「引退の時期」が後ろ倒しになっている今、誰にでも大事なことですね。
未来に必要なスキルの先取りを
昔は「目の前のことだけをきっちりこなす」だけでもよい時代もありました。もちろん今でも、目の前のことを精一杯やることは必要なことです。時代の変化によって求められるスキルも変わっていき、今は「自分で考え行動する力」が求められています。未来はどんなことが求められていくのでしょうか......。
「雇用の未来」で有名なオックスフォード大学のオズボーン教授が2017年に「未来のスキル」として、2030年に必要とされるスキル、必要とされないスキルをランキング形式に発表しています。1位から5位まで「戦略的学習力」「心理学」「指導力」「社会的洞察力」「社会学・人類学」と続きます。
将来、「AIに人間の仕事が奪われていくようになる」と言われていますが、5位までをみても、AIには代替が難しいコミュニケーション力や学習力が中心となっています。つまり、これらの未来に必要とされるスキルの習得に出遅れてしまうと、職を失ってしまう可能性もあるということです。そこで1位の「戦略的学習力」を見ていきましょう。
戦略的学習力とは
戦略的学習力とは、「新しいことを学んだり教えたりするとき、状況に応じて最適な学習法を選び、実践できること」を意味しています。一言で表すと、「新しいことを学ぶスキル」のことで、よく耳にする「リスキング」のことですね。
これは「何でもかんでも学ぶ」ということではありません。戦略的に学ぶということは「なぜ学ぶのか」「何を学ぶのか」「どのように学ぶのか」を自分で考えて学ぶことです。
「これからのグローバルな時代には英語が必要だから、英会話レッスンを受けよう」とすぐ行動するのではなく、「そもそも英語を学ぶことが必要なのか」「本当は何を学ぶべきなのか」「英語を学ぶとしたら、どのように学んだら効率よく学べるのだろうか」と考え、学びをスタートすることが重要なのです。
そうしてただ学ぶだけでなく、仕事と学びを繰り返すことで、10年後、20年後のDさんができあがっていくのですね。しかしながら、このように今、学び始めたことがいつまで通用するかは分かりません。
だからこそ、新しいことを学び続けていくことが大事なのです。Dさんもぜひ目の前のお財布事情も大切にしつつ、10年後、20年後を見すえた学びをはじめてみましょう。(ひろ子ママ)