コロナ対策では、過度な抑制は禁物
ヤフーニュースのコメント欄では、時事通信社解説委員の窪園博俊記者は、新型コロナ対策の重要性を、
「当面の景気情勢において、最大の不安要因は冬に向けてコロナ感染が拡大し、改めて自粛的な行動が広がることでしょう。感染対策が強化されると、せっかく増え始めた外国人旅行者が日本への渡航を回避して、円安の数少ないメリットであるインバウンド需要を取り逃がす恐れがあります」
と指摘した。そのうえで、
「円安は多くの企業・家計に物価高の打撃を強める負の作用が働きますが、一方で外国人には日本の旅行が安くなり、日本国内で落とすお金が増える、と期待されます。外国人が日本に来てお金を使うことは、旅行収支を改善させます。目覚ましい効果とまで言えませんが、旅行収支改善は日本の貿易赤字に伴う円売りのフローを打ち消す方向に働きます。景気面を考慮すると、可能な限り、コロナ対策では過度な抑制は避けるのが望ましいと考えられます」
と強調した。
同欄では、日本総合研究所上席主任研究員の石川智久氏が、
「基本的には日本経済は回復局面にあるものの、やはり物価高が景気リスクとなります。もっとも、海外に比べると物価高がマイルドなのにも関わらず、足元の物価が厳しく感じられるのは、これまで賃金があまり上がらなかったからとも言えます。世の中全体としては賃上げの方向ですが、賃上げを実際に行うことがこの局面を乗り切るために重要です」
と、賃上げの重要性を指摘。さらに、
「過去の傾向をみると、教育費や住居費まで上昇すると、少子化の加速に繋がるという研究もあります。子育て世帯こそ賃上げをしていくことが求められます。なお、賃金上昇がインフレ加速に繋がることも避ける必要がありますが、そのためには、同時に、機械化や人材育成強化などで生産性を上げていく必要もあります」
と、物価高の今こそ生産性向上が求められると訴えた。