エンベデッド・ファイナンスのプレイヤーは三者いる
エンベデッド・ファイナンスのプレイヤーは三者いる。
1つ目は、消費者と接点を持ち、消費者に金融商品や金融サービスを直接届ける非金融企業である。非金融企業は、自ら融資や預金などのサービスを組成できるわけではないため、「BaaS(Banking as a Service)」などを利用して、伝統的な金融機関やフィンテック企業が提供する金融サービスを自社のサービスに組み込んで提供する。
エンベデッド・ファイナンスに参入している海外の非金融企業としては、アップルやアマゾン、グーグルなどの巨大IT企業、テスラやフォードなどの自動車メーカー、ウォルマートなどの小売企業が代表的だ。
国内では、ヤフー(現Zホールディングス)、LINE、メルカリ、KDDIなどの動きが目立つという。
2つ目は、非金融企業に対して、BaaSなどによって、金融機能を提供するイネーブラー企業(新たな社会システムを構築するうえで不可欠な企業)である。さまざまなフィンテック企業が内外で提供を開始している。
3つ目は、金融サービス関連の免許を持つ銀行や証券、保険会社などのライセンスホルダーである。
免許を保有する金融機関がサービスとして非金融企業に免許を貸し出す。免許だけでなく、融資の際の審査や与信など必要な機能も合わせて提供する。国内では、住信SBIネット銀行、新生銀行、GMOあおぞらネット銀行などが参入している。
非金融企業による金融サービスの提供というと、セブン銀行やイオン銀行などをイメージするかもしれないが、これらの銀行は自ら銀行免許を取得して参入しているから、ここでの議論の枠組みからは外れる、としている。