「経済圏」は新たな社会システムへの変革をもたらすのか?
今回の調査結果について、モバイルユーザーのサービス選択行動を研究している千葉工業大学西松研教授はこうコメントをしている。
「現在は、経済圏の動きの中で、クレジットカードやEコマースとの連携を通し、通信分野に留まらず、さまざまな業種とオンライン・オフラインでのコラボレーションが進んでいます。
ユーザー側の視点で今回の経済圏のサービス利用に関するサマリーを見てみると、通信サービスを中心に、通信料金の割引のためと考えているユーザーもいれば、ポイントを効率良く集めることを中心に考え、1つの経済圏でなるべくさまざまなサービスや商品を利用しているユーザー、さらには、複数の経済圏を使い分けているユーザーというように、いくつかのユーザーのタイプが見えてきます。
同じ経済圏に属していても、ユーザーによって、見ている視点や重視しているポイントは異なります。そのため、サービス提供者は、これらのユーザーの違いを考慮して、サービスの次の展開を考えていく必要があります。
現状、経済圏での通信サービスの位置づけは、ポイントを貯めるためのサービスと考えているユーザーもいれば、必ずしも同じ経済圏の中に通信サービスを含めて考えていないユーザーもいますが、今後、どのように変化し、経済圏がビジネス領域での変化に留まるのか、新たな社会システムへの変革をもたらすのか、注視していきたいところです」
調査は2022年10月14日~10月18日、予備調査として18歳~69歳の男女2万5000人にインターネットでアンケートを行った。また、本調査として「ドコモ経済圏」「au経済圏」「PayPay経済圏」「楽天経済圏」「イオン経済圏」のメイン利用者(各500人)の合計2500人に集中的に聞いた。(福田和郎)