「背景」「目的」「戦略」の書き方とは?
「背景」の書き方は、企画書の種類によって異なる。戦略的企画書では、背景として現状分析を記載する。イベントや短期のプロモーション活動などの戦術的企画書では、「与えられた課題を、このように理解して企画を進めます」という与件の確認から始まる。
「目的」については、達成したいゴールを記し、数値目標を示せば、より具体的になる。目的は「当地への海外観光客数の増加」、目標は「昨年対比30%増を目標とする」といった具合だ。
「戦略」のパートでは、ターゲットは誰か、基本コンセプト、エリア、期間、おもな実行手段、全体予算の6つの項目を明確にすれば、できあがるという。
これらの要素を最小限のスペースにまとめた「1枚企画書」は、検討してもらえる可能性が高く、使い勝手もいい。
最後に、企画書の「3×3の法則」を守れば、採用されやすくなる。「読まれる」ためには、「外見や体裁がよい、簡潔である、文章が正確」の3つ。「理解される」ためには、「論理的である、内容が正確、具体的である」の3つ。採用されるには「要件を満たしている、面白い・興味深い、要望に沿っている」の3つが必要、ということだ。
会社員時代に評者は多くの企画を立案し、実行してきたが、本書が示しているような、しっかりした企画書を書いたことはなかった。
今思えば、ビジネスとは少し異なる分野だったから許されたのかもしれない、と遅ればせながら冷や汗が流れた。(渡辺淳悦)
「企画書・提案書の作り方 100の法則」
齊藤誠著
日本能率協会マネジメントセンター
1650円(税込)