「物価高倒産」4か月連続最多更新! コロナ・人出不足で「経営体力」限界の中小企業...円安&ウクライナ危機、最後のトドメに

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資材価格高騰に後継者難も加わった建築資材卸業が...

物価高の直撃を受ける運送業界(写真はイメージ)
物価高の直撃を受ける運送業界(写真はイメージ)

   (2)(株)キャリーエムロジスティクス(兵庫県)...2008年設立の貨物自動車運送業者。飲料、食料品を中心に、近畿圏で近中距離輸送を手がけていた。徐々に業容を拡大し、2018年9月期には年収入高約2億9100万円を計上していた。

   しかし、新型コロナの影響もあり、得意先からの受注が大きく減少。2021年9月期の年収入高は約1億7000万円にとどまり、厳しい資金繰りを強いられていた。金融機関から返済条件緩和の支援を受け、複数の営業所を閉鎖するなど経費削減に努めてきたが、燃料費の高騰などで先行きの見通しが立たなくなった。負債は約2億5000万円。

   (3)(株)タイセイ(東京都)...1983年設立の建築資材卸業。鋼材や金網、ステンレスなどの建築資材の卸業とともに、下請けを中心に防音壁や各種柵の取り付け工事も手がけていた。

   しかし、新型コロナの影響により工事の延期や中止の影響を受け、業績が悪化。金融機関に返済計画の見直しを行い、事業継続を模索していたが、代表が高齢で事業承継問題を抱えていたうえ、資材価格の高騰が加わり、行き詰った。負債は約7500万円。

年末にはさらに厳しくなりそうだ(写真はイメージ)
年末にはさらに厳しくなりそうだ(写真はイメージ)

   帝国データバンクではこう警告している。

「10月の全国企業倒産件数は594件と、低水準ながらも6か月連続で増加した。中小・零細企業の多くは、コロナ禍で経営体力を消耗した末に倒産に至ったケースが多く、なかでも足元の物価高は『最後の一押し』となる要因の1つとして存在感を高めている。
10月末に発表された政府の総合経済対策は歓迎される一方、足元の物価高に対して即効性があるかは不透明な部分がある。資金需要が例年高まり、かつ企業倒産が相次ぐ年末にかけて、物価高倒産はさらに増加していく可能性がある」

(福田和郎)

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