「日本カー・オブ・ザ・イヤー」と「RJCカーオブザイヤー」の違いとは?
年末恒例の日本の「カーオブザイヤー」は現在、著名な賞が二つある。「走り重視」の「日本カー・オブ・ザ・イヤー」と、「実用性重視」の「RJCカーオブザイヤー」だ。
1980年に始まった日本カー・オブ・ザ・イヤーは、自動車雑誌の出版社などが実行委員会を作って運営している。選考委員にはレーサーやラリードライバー出身のモータージャーナリストや自動車評論家が多い。このため、実用的なファミリーカーよりも、その年に発売され、話題となったスポーツカーやSUV、高級車が選ばれることが多い。
一方、RJCカーオブザイヤーは、NPO法人のRJCが主催する。メンバーは学識経験者や技術者のほか、レーサー出身でないモータージャーナリストや自動車評論家が多い。
かつて日本カー・オブ・ザ・イヤーは「メーカーの接待づけ」が問題となり、これを批判した自動車評論家らが1991年にRJCを発足させた。RJCは日本カー・オブ・ザ・イヤーの選考が「運動性能に偏重している」と批判した経緯がある。
この傾向は、過去の受賞車を見ると歴然としている。日本カー・オブ・ザ・イヤーには軽自動車の受賞が一度もないのに対して、RJCは軽が何度も受賞している。