ディー・エヌ・エー株5%安...ゲーム収益悪化による減益を嫌気

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   スマホ向けゲーム開発などのインターネットサービス大手、ディー・エヌ・エーの株価が2022年11月9日の東京株式市場で一時、前日終値比101円(5.2%)安の1842円に下落した。

   前日に発表した22年9月中間連結決算(国際会計基準)で営業利益、最終利益が前年同期に比べてそれぞれほぼ半減したことが判明。主力のゲーム事業の収益悪化が招いた結果で、今後の成長力に不安を抱く投資家の売りが集まった。

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屋台骨ゲーム事業が苦戦...新規タイトルのリリースほか、費用構造「筋肉質化」目指す

   決算内容をみてみよう。売上高は前年同期比4.6%増の712億円、営業利益は47.0%減の70億円、最終利益は51.1%減の110億円。

   売り上げの構成は、ゲーム事業が45.9%、ライブ配信アプリ「ポコチャ」などによるライブストリーミング事業が27.5%、プロ野球球団運営などのスポーツ事業が22.2%、ヘルスケア事業が2.5%などだった。

   ゲームアプリの配信など、国内外に向けたスマホ向けゲーム関連サービスを提供するゲーム事業が現在のディー・エヌ・エーの屋台骨であることは明らかだ。

   そのゲーム事業がこのところ振るわない。

   中間決算対象の半年間で売上高は前年同期比15.7%減の327億円にとどまっている。2022年3月期の売り上げ構成は57.1%だったから、この中間決算は10ポイント以上下がったことになる。

   中間決算のセグメント利益も37.3%減の40億円にとどまった。既存のタイトルを中心とした事業運営となったこともあり、ユーザーの消費額が減少したようだが、そうだとしても減益幅が大きい。

   ディー・エヌ・エーは「ゲーム事業の収益基盤強化に向け、新規タイトルのリリースに加えて引き続き費用構造の筋肉質化、固定費の最適化を図る」としている。

プロ野球・ベイスターズが好成績...スポーツ事業の売上高は前年同期比67.4%増

   一方、ゲームに次ぐ規模のライブストリーミング事業は、前期に買収した企業が加わり売上高は前年同期比17.0%増の195億円だった。だが、セグメント損益は3億円の赤字(前年同期は28億円の黒字)に転落した。成長に向けた先行的な積極投資が響いた。

   また、スポーツ事業はプロ野球ベイスターズの成績が向上し、集客力がアップしたこともあって、売上高は前年同期比67.4%増の158億円、セグメント利益は6.6倍の46億円に達した。 通期の業績予想についてディー・エヌ・エーは「合理的な数値の算出が困難」として開示していない。

   大和証券は中間決算発表を受けたリポートで「長期構造転換へ向け、体制強化を待つ状況が続く」「営業減益傾向が続く」と指摘した。 株価の方も上値の重い展開が続く可能性があると言えそうだ。(ジャーナリスト 済田経夫)

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