年金給付を抑える仕組み機能せず、将来の給付は大幅カットの恐れ
年金財政の破綻を回避するため、2004年に「マクロ経済スライド」が導入された。
現役世代の減少などを反映して、物価や賃金の伸びよりも年金額を抑える仕組みだ。しかし、デフレ経済のため、制度通りでは年金を毎年のように減額することになる。
これを避けるため、マクロ経済スライドの一時停止を繰り返してきた結果、財源が減り、いずれ年金給付を大きく減らして帳尻を合わせなければならなくなっている。
経済状況なども踏まえ、5年ごとに年金の財政検証(再計算)を行い、将来的に給付をどの水準にもっていくか、そのために負担をどうするかを検討し、制度を見直すことになっている。
年金は長い目でみる必要があり、2025年の次の改革に向け、2年以上前の今から議論を始める。24年には最新の将来推計人口が公表されるので、これをもとに財政検証し、同年末までに改革の議論をまとめ、25年の通常国会で必要な法改正を行うことになる。