更年期女性の75%「体調不良で本来の力出せない」
J‐CASTニュース会社ウォッチ編集部では、年収400万円の正社員を辞めて専業主婦なりたいと訴える女性の投稿をめぐる論争について、女性の働き方に詳しいワークスタイル研究家の川上敬太郎さんに意見を求めた。
――今回の投稿と回答者たちの意見を読んで、率直にどのような感想を持ちましたか。
川上敬太郎さん「まずは全身に蕁麻疹(じんましん)が出るなど、投稿者さんが体調を崩されていることが心配です。お子さんたちがいて、夫は高年収で、ご自身も正社員として400万円の年収がある。
はたからはとても恵まれている環境に見えるだけに、厳しい回答もたくさん寄せられているようです。しかし、投稿内容を拝見する限り、投稿者さんはつらそうで追い込まれているように感じます」
――背景には、はたから見てうらやましい職場を辞めてまで「娘と一緒に過ごす時間を持ちたい」という葛藤と、おそらくは更年期の症状に悩みながら働く女性の問題があるようです。川上さんが研究顧問をされている、働く女性の実態を調べる「しゅふJOB総研」で、更年期の働く女性の調査をしたことがありますか。
川上敬太郎さん「主婦層を中心とする就労志向のある女性に、更年期症状が原因で仕事において不利な状況が生じていると感じたことがあるかを尋ねたことがあります。
◇更年期症状は、女性の仕事にどんな影響を及ぼしているのか?
その結果、56%の女性が『ある』と回答しました。さらに、『ある』と回答した人にどのような不利が生じているかを聞くと、75%の人が『体調不良で本来の力が出せない』と答えています。
また、『イライラして精神が不安定になり、周囲と軋轢が生じやすい』とか『怠けているとか、やる気がないとか、誤解を受けやすい』などと答えた人も51%いました」
今回の話題について、川上さんのアドバイスも熱を帯びました――。<「年収400万円正社員やめて専業主婦に」女性の投稿が炎上! 仕事に疲れ、小4娘に母親らしいことしたい「もったいない?」「やめてもいい?」...専門家に聞いた(2)>に続きます。
(福田和郎)