ズバリ「円安の終わりの始まり」は年末か来年1~3月?
ズバリ、「円安の終わりの始まり」は、今年12月か来年1~3月期に来るだろうと予想するのは、野村総合研究所エグゼクティブ・エコノミストの木内登英氏だ。
木内氏はリポート「予想外の円高進行:円安の終わりの始まりか」(11月14日付)のなかで、こう説明する。
「10月CPI(消費者物価指数)の数字だけで、FRBの利上げ姿勢が大きく変わるとは思えない。(しかし、FRB内でも)米国経済が大きく悪化してしまう『オーバーキル』のリスクを感じる向きが増えている」
「しかし、0.5%はなお大幅な利上げである。FRBの利上げ姿勢が従来と比べて明確に後退し、それを受けて米国の長期金利が明確にピークをつけるまでドル高円安の流れが転換したとは言えないだろう」
「ドル高円安の流れが転換するには、FRBの利上げ幅が0.5%ではなく0.25%まで縮小する、との観測が高まることが必要なのではないか。0.25%がいわゆるマジックナンバーである」
「それが生じるタイミングは最短で12月のFOMC(連邦公開市場委員会)後、遅くとも来年1~3月期とみておきたい。それまでの間にドル円が再び150円台に突入する可能性は残されているだろう。しかし、もはや160円台に入る可能性はかなり低下したと言えるのではないか」
「歴史的な円安進行も、既に終盤戦、あるいは最終局面に入っていると考えられる。『円安の終わりの始まり』である」