訪日外国人の観光需要の回復...国際線の旅客収入が好調
売上高の見通しをもう少し詳しく見てみよう。
ANAHDは、日本発着のビジネス需要や訪日外国人の観光需要の回復により、国際線の旅客収入(ANAブランドのみ)を980億円上方修正した。一方、国内線の旅客収入は、新型コロナ第7波で7~9月期の伸びが鈍化したことなどを踏まえ、640億円下方修正した。
貨物郵便収入は、半導体製造装置や完成車など高単価な商材を取り込み、260億円上振れするとみる。
JALも、国際線の旅客収入400億円、貨物郵便収入300億円の上振れを見込む一方、国内線旅客収入は540億円下振れするとみる。
両社とも、燃料高や円安の影響も警戒している。
ANAHDは、原油価格の高騰や円安で燃油費は従来予想から300億円膨らむとしている。燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)に転嫁する結果、運賃上昇で日本人の海外旅行需要が鈍化することなどを懸念している。
JALは、燃油高や円安が4~9月期のEBITを110億円押し下げたと説明。10月~23年3月期も同程度の影響を見込んでおり、通期のEBITや最終損益の予想据え置きにつながっている。