いまこそ「ひとり社長」の始め時!...売るのはあなたの「スキル」

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   「年収が上がらない」「好きなことをしたい」「実力に見合った評価を得たい」。そう思っている人こそ、「ひとり社長」になり、自分のスキルを売ればいい......。本書「ひとり社長になっていきなり年収を650万円にする方法」(自由国民社)には、そのノウハウと、実際に「ひとり社長」になり、成功した8人の体験談が収められている。

「ひとり社長になっていきなり年収を650万円にする方法」(松尾昭仁著)自由国民社

   著者の松尾昭仁さんは、起業コンサルタント・出版プロデューサー。業界大手の総合人材サービス企業を経てコンサルタントとして独立。著書に「ビジネス書の著者になっていきなり年収を3倍にする方法」などがある。

   国税庁「民間給与実態統計調査」によると、2000年に平均給与は460万円あったのが、2019年には436.4万円と、この20年間給料は上がるどころか、下がっている。企業が人件費にお金をあてられない現状がわかる。

   転職情報サイト「doda」の調べによると、50代以上男性の平均年収は661万円、女性は431万円、長く勤めてキャリアハイになっても手が届くのは600万円台だという。

起業したらまずはコンサルタントになろう

   そこで、松尾さんが勧めているのが、「ひとり社長」になることだ。店舗型のビジネスやフランチャイズビジネスではなく、売るのは「自分のスキル」だ。

   「起業したら誰でもまずはコンサルタント」と書いている。「仕入れなし。資格なし。オフィスなし」でいいという。

   いまが、「ひとり社長」の始め時だとも。どこにいても、YouTubeなどの動画コンテンツが簡単に視聴できるようになった。テレワークが普及し、ZOOMなどの会議ツールも使えるようになった。つまり、どこにいてもコンサルの仕事ができる環境が整ったのだ。

   これまでは、コンサル業務をやろうとすれば、対面が当たり前だった。しかし、新型コロナウイルスの拡大によって、オンラインでのやりとりが当たり前。また、ウェブ集客も手軽にできるようになった。「あらゆることのハードルがオンライン化によって下がった」から、いまこそ、ひとり企業の始め時なのだ。

ニーズの数だけ、コンサルタントのネタはある

   コンサルタントと言えば、「経営コンサルタン」を思い描きがちだが、ニーズの数だけ、コンサルのネタはあるという。自分の経験や知識をもとに「教えるコンテンツ」があれば、誰でもコンサルタントと名乗れる、と後押しをしている。

   「それでも自信がない」という人も多いだろう。そんな人には「立ち位置チェンジで誰でも先生になれる」という法則を示している。

   多くの人が業界では単なるプレーヤーだ。しかし、立ち位置をチェンジすることで、教える人=コンサルタントになれるという。

   たとえば、料理人という職業は、料理をつくるプレーヤーだが、料理教室で教えれば、「先生」という立ち位置になる。

   会社で仕事をするビジネスパーソンでいる限り、自分のノウハウをお客さんに提供して、その対価をもらって終わりだ。しかし、先生、講師という立ち位置にチェンジすることで、ビジネスが一気に広がる、と説明する。

   松尾さん自身も、もともとはセミナー講師を数回やっていた程度のプレーヤーだった。それが、「セミナーを開催するためのノウハウを教える先生」という立ち位置にした瞬間から、ビジネスが拡大。起業20年目で年商は1億円に届く勢いだという。

   「いきなり、会社を設立しろ」「堂々とお金をもらうには、『価格表』」を用意しろ」など具体的な起業のノウハウを示し、「事業が軌道に乗ってきたら、出版をしよう」。出版することにより、ビジネスが拡大するので、「商業出版」は、最も効果的な営業ツールだという。

起業して成功した8人の体験談が勇気を与える

   7章「私達はこうしてひとり社長になって、年収650万円を超えた!」に、8人が、顔写真、略歴付きで、体験談を載せている。

   学習塾の会社、生命保険会社を経て、好きで得意な数学を生かしてコンサル起業に成功した男性。不動産企業の取締役から不動産コンサルタントになった男性。大手ジーンズショップ社員からコンサルファームを経て、コンサルタントで独立した男性。環境ビジネスの会社、リゾート会社を経て、和装イメージコンサルタントになった女性。ミュージシャンをあきらめ、どん底からコンテンツプロデューサーになった男性など。体験談を読むと、全員が起業のメリットを説いている。

   なかでもインパクトを受けたのは、福岡市役所の公務員がトランスジェンダーであることをカミングアウトし、メンタルコーチになった例だ。

   Webマーケティングのコンサルタントとして起業したが、なかなか仕事を受注できず、本業以外のアルバイトで食いつないだそうだ。その後、コーチング事業を始め、3年後にようやく650万円の年収になった。事業がうまくいったきっかけは、トランスジェンダーという本当の自分を出したこと、と書いている。

   そして、「起業家は世の中にポジティブな影響を与えようとしている人たちの集まりです。そういったコミュニティに参加することで、自分の強みも浮き彫りになります。そしてアドバイスしてくれる心強い味方もできます。まずは行動です」とアドバイスしている。

   こうした体験談は、起業を志している人に勇気を与えるだろう。(渡辺淳悦)

「ひとり社長になっていきなり年収を650万円にする方法」
松尾昭仁著
自由国民社
1650円(税込)

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