「教育研究業績書」の書き方が大切...これまでのキャリアの「棚卸し」を
実務経験を「構造化しつつ言語化する」例として、以下のような「教育研究業績書」を示している。
【事項】中小企業を対象とした組織開発コンサルティングにおける責任者としての実務
【概要】株式会社〇〇の××部門責任者として、△△地域に所在する中小企業を対象にした組織開発コンサルティング業務に従事した。同企業は当初、~の理由から□□や☆☆といった課題に直面していた。そこで本プロジェクトでは、●●の方法を用いて状況を整理し、その上で従業員に対するヒアリング調査を実施することで、同企業が抱える課題の全体像を分析した。これにより、▲▲や■■など、同社における持続可能性を担保する組織ガバナンスのあり方を提案した。
1つの項目あたり200~500字程度の分量になる。これを、これまで経験した業務やプロジェクトの分だけ、淡々と記述していく。これまでの自分のキャリアを俯瞰し、捉え直す実務経験の「棚卸し」は、実務家教員を目指すための第一歩だと強調している。
実務家教員が実際に担当している授業のリストは、各大学のホームページ上に公開されている。検索してみると、専門職大学、専門職大学院だけでなく、著名な一般大学でも多くの科目を実務家教員が担当していることが分かる。
さらに、教員の氏名で検索したり、各大学のシラバス検索システムから授業の内容を確認したりすることで、自分の分野で採用される実務家教員の水準がイメージできる。
大学の教員といえば、修士号や博士号を持つ「研究者教員」を思い浮かべるが、最近は、実務家教員の比重が増えている。国の政策がそれを後押ししているからだ。