トランプ氏が勝てば、プーチン氏が喜ぶ?「皮一枚の接戦」
予想外の「善戦」が報じられるなか、早々とバイデン大統領の「'good day' for democracy」(民主主義にとって良い日だった)というコメントが世界中に流れました。不正選挙を唱えるトランプ氏の影響力を抑えたことへの安堵が広がっているようですが、まだまだ戦況は予断を許しません。
各国メディアが「neck and neck」(互角の戦い)、「go down to the wire」(デッドヒートを繰り広げる)と報じる「接戦」であることは間違いなく、最終的な選挙結果が出るまで数週間かかる、という予想も出始めました。
そんななか、不気味な動きを感じさせるのが、誰よりもトランプ氏の復活を待ち望んでいるのはロシアのプーチン大統領だ、という報道です。
先日、「プーチン大統領の料理長」とされる側近が、米国の中間選挙に介入していることを明らかにしたばかり。異例ともいえる「介入宣言」は、トランプ氏の復活を支援することで米国のウクライナ支援をやめさせる狙いだ、と報じられています。
一夜にして、「次期大統領候補」から「戦犯」に凋落してしまったトランプ氏。少なくとも、トランプ氏をめぐる報道の潮目が変わったことは間違いないようです。
それでは、「今週のニュースな英語」は「neck and neck」を使った表現です。直訳すると「首と首」。競馬でゴールに到達する時、首の差で勝負が決まることから「接戦」「僅差」を表す慣用句で、ビジネスの場面でもよく使われます。
The two runners were neck and neck
(二人のランナーは接戦だった)
Two competitors are neck and neck
(競合する2社は負けず劣らずだ)
当のトランプ氏は、選挙に勝ったら自分の功績だが、負けても「I should not be blamed at all」(批判される筋合いはない)と相変わらず自分勝手な態度。今回の結果がどうであれ、2年後の米大統領選に向けて戦いの火ぶたが切って落とされました。
(井津川倫子)