財布がどんどん軽く...「実質賃金」6か月連続マイナス! エコノミストどう見ている? それでも、明るい材料ある「世帯収入増と冬のボーナスに期待」

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来月支給される冬のボーナスが夏を上回れば...

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冬のボーナスに期待だ!(写真はイメージ)

   一方、同欄では第一生命経済研究所首席エコノミストの永濱利廣氏が、

「企業の総人件費を常用雇用者数で割って算出した毎月勤労統計で見れば、9月の名目賃金の伸びが物価上昇に追いついていませんが、同じく本日(11月8日)公表された総務省の家計調査によれば、勤労者世帯の9月の実収入は名目で前年比プラス3.7%、実質でもプラス0.2%増えています。背景には、9月に働く人が増えたことがありそうです」

と明るい数字を紹介した。そして、

「既に公表されている9月の労働力調査によれば、就業者数が前の月からプラス13万人増えています。このため、1人当たりの実質賃金は減ったものの、働く人が増えたため、世帯平均で見た実質実収入が増えているという構図です」

と説明した。

   同欄では、三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査部 主席研究員の小林真一郎氏も明るい兆候を紹介した。

「今回は夏のボーナス支給実績も発表されました。昨年夏の前年比0.8%減少、昨年冬の同0.1%増加に対して、同2.4%増加と、コロナ禍から景気が回復するにつれて、徐々に状況が改善しています。1人当たりの支給額は約38.9万円で、これはリーマンショック前の2008年夏の約40.7万円以来の高い水準です」

と、ボーナス支給の好転を評価。

「ただし、この数字は、賞与が支給された事業所における1人当たりの平均です。より実態に近い全労働者1人当たり平均(賞与支給のない事業所を含む)では、前年比3.8%増加に伸び率が高まります。夏のボーナスが順調に増加したことに加え、雇用情勢の改善が進んでいることや、物価上昇への配慮を示す企業が増えていることを勘案すると、来月に支給される冬のボーナスでは夏を上回る伸びとなる可能性があります。物価上昇によって実質値が低迷することは避けられませんが、それでも今後の個人消費とっては明るい材料です」

と、冬のボーナス事情に期待を込めた。

(福田和郎)

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