人口減少なのに、全国で増え続ける「空き家」問題...国交省、対策強化へ だが、抜本的な解決には「住宅の総量管理が必要」と専門家

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テレワーク普及はチャンスだが、「空き家」増加スピードは圧倒的に速い

   空き家の利活用に関しては、新型コロナウイルス禍の中で、多少の期待も出てきている。

   背景には、テレワークの普及がある。その結果、これまで仕事の都合で都心に住んでいた人たちの一部が地方に移り住み、空き家を改装して住むケースが少しずつ出てきたのだ。

   住宅問題に詳しいアナリストは「居住の選択地が広がったことで、物件の状態がいい空き家に関しては活用される可能性が少し高まってきた」と話す。あわせて、地方への移住者に自治体やNPO法人が空き家を紹介する活動も全国で広がっており、利活用が進む可能性はある。

   ただ、前出のアナリストは「少子高齢化が進んでおり、空き家が増えていくスピードの方が圧倒的に速いだろう」とも指摘する。「若い世代の持ち家志向は依然として強い」と述べ、空き家が大きく減少する可能性は極めて小さいと見る。

   別の専門家は「新築住宅の建設を規制する対策がなければ、空き家は増える一方だ」と警鐘を鳴らす。空き家を増やさない対策を打ったとしても、新たな住宅が際限なく建設されれば、空き家は減るどころか増えるだけだからだ。

   専門家の間では「根本的な解決を図るには、住宅の総量を管理する政策こそ必要」との声は強い。だが、住宅の振興策は景気対策と密接に関係することから、国交省の空き家対策が総量管理まで踏み込めるかには疑問を持つ人が多い。(ジャーナリスト 済田経夫)

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