トランプ氏のアカウント復活も取りざたに
そして、マスク氏自身のキャラクターも、こうした不安を助長する。
10月上旬、「ウクライナが勝利する可能性は低い」として、ロシアとの停戦を呼びかけるツイートをして世論の猛反発を浴びた。また、自身の宇宙企業「スペースX」の衛星通信サービス「スターリンク」のウクライナへの無償提供を中止する可能性を示唆して1日で撤回するなど、言動は相変わらず不安定だ。
2021年のトランプ氏支持者による米議会襲撃事件を受け、事件を扇動するようなツイートを重ねたトランプ氏のアカウントは永久凍結されているが、マスク氏は「ツイッターはサンフランシスコに本社があり、左派に強く偏っている。もっと公平になる必要がある」と述べたこともあり、トランプ氏のアカウント復活も取りざたされる。
他方、例えば巨大IT企業に違法コンテンツの排除を義務付ける規則を導入している欧州連合(EU)は、ツイッターに規則順守を求めており、こうした規制当局の動きも、ツイッターの経営を大きく左右する。
言論のプラットフォームとしての半公的な機能の全うと、経営再建をどう折り合いをつけるか。カリスマ経営者の手腕が問われる。(ジャーナリスト 白井俊郎)