ニューヨークタイムズ紙、「ヘンリー王子はビビっている!」
報道によると、父チャールズ国王や兄のウイリアム皇太子には、「SPARE(スペア)」というタイトルは事前に報告がなかったそうです。ヘンリー王子の自叙伝が世に出ることで、王室との関係修復はさらに困難になると予想されていますが、ヘンリー王子は家族関係よりも高額の契約金と、ベストセラー作家としての栄光を選んだのでしょうか。
そんななか、「世の中そんなに甘くない」と警笛を鳴らしているのが米高級紙ニューヨークタイムズです。
ヘンリー王子とメーガン妃といえば、そのスキャンダルな内容で世界中を震撼とさせた2021年の米テレビインタビューを思い浮かべます。セレブインタビュアーのオプラ・ウィンフリーによる独占インタビューで、英王室での差別など爆弾発言を繰り替えしたメーガン妃とヘンリー王子。米国だけで1700万人が視聴したとされていますが、ニューヨークタイムズ紙は、「Much has changed since」(当時とは状況が違う)と断言しています。
同紙は、エリザベス女王崩御の悲しみが広がっている中での暴露ネタは、読者に「unseemly」(見苦しい)と受け止められるだけだと批判。実際、ヘンリー王子自身が、暴露本がもたらす影響に「Prince Harry has gotten cold feet」(ビビッている、おじけづいている)という、関係者のコメントも伝えています。
さらに、英国民が経済や政治の混乱に苦しんでいるタイミングでの暴露本発売は、国民の感情を逆なでしたり、王室不要論を掻き立てたりして、ヘンリー王子を致命的な状況に追い込むと指摘。それでも「truth-telling prince.(真実を語る王子)のイメージを守りたいヘンリー王子は、出版に踏み切ったとしています。
416ページにわたる「暴露本」の全内容が判明するまで数週間。ヘンリー王子にとって吉と出るか凶と出るか、世論の動きに注目です。
それでは、「今週のニュースな英語」は「get cold feet」(ビビる、おじけづく)を使った表現を取り上げます。いざという時におじけづいてしまうといった時に使います。
She is getting cold feet before her wedding.
(彼女は結婚式の前になっておじけづいてきた)
I was going to try bungee jumping, but I got cold feet.
(バンジージャンプに挑戦しようとしたが、直前にビビッてしまった)
これまで数多くの「セレブ自叙伝」を手掛けた専門家によると、友好な家族関係と名声の二つを手に入れるのは難しいとのこと。「tell-all」(すべてを語る)自叙伝の発売で、ヘンリー王子は何を手にするのでしょうか。リスキーな挑戦の幕開けです。
(井津川倫子)