【2024年卒就活生】就活、早くも猛スパート! 9月時点でインターンシップ体験7割超...「社員と同じ仕事できて満足」だけど「不安も...」

建築予定地やご希望の地域の工務店へ一括無料資料請求

   2024年卒の大学生(4年制なら3年生)の就職活動が早くも序盤戦に突入した。

   リクルート就職みらい研究所が2022年11月1日に発表した「2024年卒インターンシップ・就職活動準備に関する調査」によると、今年9月時点ですでに74%がインターンシップに参加しているという。これは2023年卒と比べて5.4%増え、コロナ禍も影響した2022年卒の1.5倍というハイペースだ。

   ただ、学生たちには不安があるという。それは何か?

  • インターンシップを経て、自信がついた(写真はイメージ)
    インターンシップを経て、自信がついた(写真はイメージ)
  • インターンシップを経て、自信がついた(写真はイメージ)

「社員の仕事を実際にやる」...インターンシップで高い人気

   リクルート就職みらい研究所の調査によると、就職を希望する2024年卒の大学生に「インターンシップ・1day仕事体験に参加したか」を聞くと、今年9月時点で73.8%が参加していた。2023年卒の大学生(68.4%)より5.4%高い。また、2022年卒の参加割合(46.8%)より約1.5倍に増加しており、例年より早く就活戦線のスタートダッシュを切ったかっこうだ=図表1参照

kaisha_20221102180033.png
(図表1)インターンシップ・1day仕事体験の参加割合(リクルート就職みらい研究所の作成)

   応募・参加したプログラムの平均会社数を聞くと、応募が9.3社、参加が5.6社で、そのうちWebが4.3社、対面が1.3社となった=図表2参照。なお、参加が応募を下回っているのは、インターンシップに応募しても「選考」の段階で落ちるケースがあるからだ。

kaisha_20221102180057.png
(図表2)インターンシップ・1day仕事体験の平均応募・参加件数(リクルート就職みらい研究所の作成)

   また、参加したプログラムのうち、Webの経験割合は2023年卒とほぼ同じだが、対面の経験割合は増加した=再び図表2参照。これは新型コロナが落ち着きを見せ、オンラインより対面で行う会社が増えたためとみられる。

   今後、インターンシップ・1day仕事体験に参加するかを聞くと、90.7%の学生が参加を予定していると答えた。また、そのうち40.2%が「志望業界・業種に関わらず参加」したいと答えた。将来の自分の可能性をどん欲に広げたいという気持ちの表れだが、これは2023年卒の大学生より2.9%高い。

   ところで、体験型のインターンシップは、やはりWebよりも対面のほうが学生の満足度は高い。図表3が、プログラムごとにWebと対面の満足度を数値(%)で表したものだ。

kaisha_20221102180127.png
(図表3)参加形態別インターンシップ・1day仕事体験の満足度(リクルート就職みらい研究所の作成)

   これを見ると、対面参加者の満足度がグンとアップするのは「社員の基幹的な業務の一部を経験する」「社員の補助的な業務の一部を経験する」「仕事をしている社員に同席あるいは同行する」「職場や工場の見学」「社会的な課題やテーマについてワークやディスカッションなどをする」などの順だった。

   実際に仕事をやってみることが学生にとって大きな喜びのようだ。特に「仕事をしている社員に同席あるいは同行する」はWeb参加者の2倍以上の満足度だった=再び図表3参照

「インターンシップは本選考につながる?」疑心暗鬼

kaisha_20221102180157.jpg
対面のインターンシップで、職場の雰囲気の良さがわかった(写真はイメージ)

   ただし、インターンシップに参加した学生から生の声を聞くと、期待とともに不安の意見も聞かれた。まず、期待の声では(カッコ内の数字は参加した企業数)――。

「その業界についての理解を深めること。また、企業についての理解を深めること。実際の仕事がどのようなものなのか体験できること」(文系女性・7社)
「業務内容について詳しく知ることと、職場の雰囲気が自分に合っているかどうか知ることを期待します」(理系女性・2社)
「対面では社内の雰囲気と業務内容の体験。Webでは、会社の業務内容の理解と社員の雰囲気」(理系男性・5社)
「自分がやりたいことや業種を広く探せること」(文系女性・6社)
「幅広く業界研究ができること」(文系女性・3社)

   こういった社会人としての自覚を深めると同時に、

「インターンシップに参加することで早期選考に繋がればいい」(文系女性・1社)

と、内定獲得に向けた実利の面を強調する声もあった。

kaisha_20221102180230.jpg
社会人の先輩と話せてよかった(写真はイメージ)

   一方、不安の声では――。

「インターンシップの参加の是非によって本選考に影響が出てくるのではないかと不安です」(理系男性・2社)
「参加した人特典がよくあるので、参加できなかったら選考が不利になるのかと思うと、インターンシップの時点で落ちた企業には選考を出すべきなのか迷う」(文系女性・10社)
「早期選考に直結しているかいないかが不明なインターンシップがあることについて不安に感じている」(文系男性・15社)
「エントリーシートが必要な企業の選考にすべて落選したため、エントリーシートに対して不安感がある。また、4社しか結果として参加できなかったため、少ないか不安である」(文系男性・4社)

   インターンシップが本選考に直接結びついているかどうか疑心を抱く意見が目立った。また、

「グループワークの文字があると不安だった。コミュニケーションが苦手なので、グループワークがあるところは極力避けていた」(文系女性・3社)
「1dayのオンラインインターンシップばかりで、対面でのインターンシップの経験がない」(文系女性・5社)

などと、プログラムの内容に関する不安の意見も聞かれた。

kaisha_20221102180307.jpg
ご縁を大事に(写真はイメージ)

   こうした学生の悩みに対して、就職みらい研究所の栗田貴祥所長は、こうアドバイスしている。

「学生から寄せられたインターンシップ等に対する不安についてのコメントでは、インターンシップの選考に通過できなかった場合に本選考を受けるか迷うという声も聞かれました。しかし、インターンシップに参加できなかったからといって、本選考の応募をあきらめる必要はありません。引き続き就職活動のために必要な準備を進めていっていただきたいと思います」

   調査は2022年9月20日~26日、リクルートが運営する就職活動支援サイト「リクナビ2024」に登録している2024年3月卒業予定の大学生1213人にインターネットでアンケートを行なった。

(福田和郎)

姉妹サイト