「インターンシップは本選考につながる?」疑心暗鬼
ただし、インターンシップに参加した学生から生の声を聞くと、期待とともに不安の意見も聞かれた。まず、期待の声では(カッコ内の数字は参加した企業数)――。
「その業界についての理解を深めること。また、企業についての理解を深めること。実際の仕事がどのようなものなのか体験できること」(文系女性・7社)
「業務内容について詳しく知ることと、職場の雰囲気が自分に合っているかどうか知ることを期待します」(理系女性・2社)
「対面では社内の雰囲気と業務内容の体験。Webでは、会社の業務内容の理解と社員の雰囲気」(理系男性・5社)
「自分がやりたいことや業種を広く探せること」(文系女性・6社)
「幅広く業界研究ができること」(文系女性・3社)
こういった社会人としての自覚を深めると同時に、
「インターンシップに参加することで早期選考に繋がればいい」(文系女性・1社)
と、内定獲得に向けた実利の面を強調する声もあった。
一方、不安の声では――。
「インターンシップの参加の是非によって本選考に影響が出てくるのではないかと不安です」(理系男性・2社)
「参加した人特典がよくあるので、参加できなかったら選考が不利になるのかと思うと、インターンシップの時点で落ちた企業には選考を出すべきなのか迷う」(文系女性・10社)
「早期選考に直結しているかいないかが不明なインターンシップがあることについて不安に感じている」(文系男性・15社)
「エントリーシートが必要な企業の選考にすべて落選したため、エントリーシートに対して不安感がある。また、4社しか結果として参加できなかったため、少ないか不安である」(文系男性・4社)
インターンシップが本選考に直接結びついているかどうか疑心を抱く意見が目立った。また、
「グループワークの文字があると不安だった。コミュニケーションが苦手なので、グループワークがあるところは極力避けていた」(文系女性・3社)
「1dayのオンラインインターンシップばかりで、対面でのインターンシップの経験がない」(文系女性・5社)
などと、プログラムの内容に関する不安の意見も聞かれた。
こうした学生の悩みに対して、就職みらい研究所の栗田貴祥所長は、こうアドバイスしている。
「学生から寄せられたインターンシップ等に対する不安についてのコメントでは、インターンシップの選考に通過できなかった場合に本選考を受けるか迷うという声も聞かれました。しかし、インターンシップに参加できなかったからといって、本選考の応募をあきらめる必要はありません。引き続き就職活動のために必要な準備を進めていっていただきたいと思います」
調査は2022年9月20日~26日、リクルートが運営する就職活動支援サイト「リクナビ2024」に登録している2024年3月卒業予定の大学生1213人にインターネットでアンケートを行なった。
(福田和郎)