ヒアリングでは、「もう一つ」の3Cトライアングルを意識しよう
営業ヒアリングの基本は、マーケティングの「3C」で構成します。
3Cトライアングルが2つ描かれた下図をご覧ください。下の3Cトライアングルは、自社(Company)、顧客(Customer)、競合(Competitor)で構成されています。3者の間に存在する「←→」は、「顧客が自社に何を求めているか」「競合は顧客に何を提案しているか」「自社と競合との間にはどのような違い(強み、弱み)があるか」を示しています。ところが、これをヒアリングの際に、直接顧客に聞いても、なかなか教えてくれるものではありません。
そこで、実際のヒアリングポイントとしては、その上に位置している、もう一つの3Cトライアングルに注目します。
この「3C」は、顧客を自社(Company)に置き換えた時に、顧客の顧客(Customer)、顧客の競合(Competitor)との間で構成されるトライアングルなのです。この3者の間の「←→」は、「顧客の顧客が顧客に何を求めているか」「顧客の競合は顧客の顧客に何を提案しているか」「顧客と顧客の競合との間にはどのような違い(強み、弱み)があるか」ということを意味します。
そして、これこそが、営業ヒアリングにおける最大のヒアリングポイントになるのです。営業ヒアリングでは、自社の業務領域に絡めて、まずここを聞くことが大前提であり、その回答の中にこそ、真のニーズの存在を認識することができるのです。
裏を返せば、このヒアリングポイントを尋ねても、ニーズらしきものが見えてこない時には、現状では自社に対するニーズが明確には存在していないという可能性が高いことになります。
このようにインサイドセールス部隊が「脈あり」と判断した先であっても、ヒアリングで「今すぐ先」ではないと分かった場合、その場でその先を切り捨ててはいけません。「今すぐ先」ではないものの、「そのうち先」として別管理しつつ、一定の期間を置きながら、随時ヒアリングを実施しつつニーズが熟するのを待つこととなります。
せっかくの「脈あり」先をこの段階で切り捨ててしまっては、先々の成約チャンスをみすみす逃してしまうことになるのです。