営業活動の成功率高めるには?...最重要ポイントは「ヒアリング」、どこを意識して聞いたらよいか?(大関暁夫)

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ヒアリングでは、「もう一つ」の3Cトライアングルを意識しよう

   営業ヒアリングの基本は、マーケティングの「3C」で構成します。

   3Cトライアングルが2つ描かれた下図をご覧ください。下の3Cトライアングルは、自社(Company)、顧客(Customer)、競合(Competitor)で構成されています。3者の間に存在する「←→」は、「顧客が自社に何を求めているか」「競合は顧客に何を提案しているか」「自社と競合との間にはどのような違い(強み、弱み)があるか」を示しています。ところが、これをヒアリングの際に、直接顧客に聞いても、なかなか教えてくれるものではありません。

   そこで、実際のヒアリングポイントとしては、その上に位置している、もう一つの3Cトライアングルに注目します。

   この「3C」は、顧客を自社(Company)に置き換えた時に、顧客の顧客(Customer)、顧客の競合(Competitor)との間で構成されるトライアングルなのです。この3者の間の「←→」は、「顧客の顧客が顧客に何を求めているか」「顧客の競合は顧客の顧客に何を提案しているか」「顧客と顧客の競合との間にはどのような違い(強み、弱み)があるか」ということを意味します。

   そして、これこそが、営業ヒアリングにおける最大のヒアリングポイントになるのです。営業ヒアリングでは、自社の業務領域に絡めて、まずここを聞くことが大前提であり、その回答の中にこそ、真のニーズの存在を認識することができるのです。

   裏を返せば、このヒアリングポイントを尋ねても、ニーズらしきものが見えてこない時には、現状では自社に対するニーズが明確には存在していないという可能性が高いことになります。

   このようにインサイドセールス部隊が「脈あり」と判断した先であっても、ヒアリングで「今すぐ先」ではないと分かった場合、その場でその先を切り捨ててはいけません。「今すぐ先」ではないものの、「そのうち先」として別管理しつつ、一定の期間を置きながら、随時ヒアリングを実施しつつニーズが熟するのを待つこととなります。

   せっかくの「脈あり」先をこの段階で切り捨ててしまっては、先々の成約チャンスをみすみす逃してしまうことになるのです。

大関 暁夫(おおぜき・あけお)
株式会社スタジオ02 代表取締役 企業アナリスト
東北大学経済学部(企業戦略論専攻)卒。1984年、横浜銀行に入行。現場業務および現場指導のほか、出向による新聞記者経験を含めプレス、マーケティング畑を歴任。全国銀行協会出向時には対大蔵省(当時)、対自民党のフロントマンも務めた。中央林間支店長に従事した後、2006年に独立。銀行で培った都市銀行に打ち勝つ独自の営業理論を軸に、主に地域金融機関、上場企業、ベンチャー企業のマネジメント支援および現場指導を実践している。
メディアで数多くの執筆を担当。現在、J-CAST 会社ウォッチ、ITメディア、BLOGOS、AllAboutで、マネジメント記事を連載中。
1959年生まれ。
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