週に一度まとめてつくるのがコツ
いよいよ実践だ。
「スタイリング写真」では日常をイメージさせる、撮影してくれる人がいないときの対処法、短時間でおしゃれに仕上がる「文字入れ加工」など、具体的にアドバイスしている。
気になるのが更新の頻度だ。
「理想の更新頻度は1日1投稿。週に一度、7投稿分の企画を考えて、その企画に沿ったスタイリングで写真を撮り、その後、インスタの『下書き機能』を使って、投稿の準備をしておけば、1日で7日分の投稿が用意できる」と説明している。
数ある販売員のアカウントの中で選んでもらうには、セルフブランディングが必要だという。アカウントのコンセプトは「あなたらしさ」で決まる。
たとえば、身長、体型、自分の身体のポイントとコンプレックス、何色系の服を着ることが多いか、などの情報を整理する。ちなみに、コンプレックスこそが最強のコンテンツになるという。
「同じ悩みを抱えるお客様たちの『こんなに似合う服に出合えて嬉しい!』を探すお手伝いをインスタですることで、共感者に出会えます」
それから、ハッシュタグには、所属ブランドの関連ハッシュタグ、施設のハッシュタグとタグ付け、勤務地エリア、買い替えアイテムを仕込むのがコツだ。そして、これまで磨いてきた接客トークを「投稿文」で伝える。
販売員として一番大事なことは、生まれ持ったビジュアルではなく、軽快な接客トークでもなく、接客の際の「あなたの着こなし」だという。「お客様にいい服をオススメするために、自分もいい服を着る」と心構えについて語っている。
本書はアパレルを舞台にインスタグラムの活用を説いたものだが、飲食店や美容店など、さまざまな業界で使えるヒントに満ちていると思った。
(渡辺淳悦)
「会わなくても『指名』される トップ販売員のInstagram力」
艸谷真由著
大和書房
1760円(税込)