11月の値上げ、多い食品分野は調味料338品目、乳製品318品目...インパクト大きく
帝国データバンクの調査によると、10月のピーク(合計6699品目)をピークに、「値上げラッシュ」の大波は過ぎたものの、11月もまだ食品の値上がりは続く。
上場する主要飲食料品メーカー105社に価格改定計画(値上げ、実施済み含む)を聞くと、10月末までに累計2万743品目の値上げが判明。11月単月では、833品目が計画されている=図表1参照。
11月の値上げ品目が最も多い食品分野は調味料の338品目で、全体の約4割を占めた。焼肉のたれ、だし製品といった品目で目立つ。次いで多いのが、乳製品で318品目だ。飼料価格の高騰を背景に、牛乳、チーズ、ヨーグルト、そして乳幼児向けの粉ミルク製品まで、いっせいに価格が引き上げられる=図表2参照。
乳製品の値上げで中心となる「パック牛乳」は、消費期限が短いため買いだめができず、また、購入頻度も高いため、値上げによる消費者の心理的なインパクトは年内でも最大級になりそうだ。
帝国データバンクではこうコメントしている。
「消費者のインフレ実感は、11月以降値上げされる『パック牛乳』など日配品の値上げにより、一気に鮮明化するとみられる。(中略)足元では1ドル150円前後で推移する円安局面のなか、来年の値上げ予定品目数は早くも2000品目を超え、その多くで『円安』が要因として挙げられている。今後も大きく引き上げられる予定の電気・ガス代など、コスト上昇圧力が解消される望みは当面薄いなか、来年2~3月をピークに『値上げラッシュ』が再来する可能性が高い」
(福田和郎)