生活費の収入源...家庭からが5.2万円(4.3%)減、アルバイトが3.5万円(8.7%)減
同様に、年間の生活費は住環境によっても拡大が見られる。
自宅、学生寮、アパート等の分類で住居を見ると、大学では「自宅」が国立大35.7%、公立大43.7%、私立大65.2%、短大では公立50.9%、私立78.6%。これに対して、「学生寮」はすべてで10%以下となっており、「アパート等」は国立大58.1%、公立大53.0%、私立大27.8%、公立短大42.0%、私立短大16.3%という状況だ。
国公立大に対して私立大の、公立短大に対して私立短大のアパート等の比率が低く、自宅の比率が高い。これは、学費負担の差が、住居費に反映されているものと思われる。私立大、私立短大は学費が高いため、自宅居住者が中心になっているようだ。
住居費の負担は、年間生活に反映されている。
アパート等では国立大は172.2万円、公立大は168.9万円に対して、私立大は241.1万円だ。ようするに、国立大より40.2万円(69.2%)、公立大より42.9万円(72.5%)も負担が多い。短大の場合も、公立138.2万円に対して、私立202.2万円と64.0万円(46.3%)も負担が多くなっている=表3。
そして、大学生の生活費(総額114.5万円)は家庭からが114.5万円(59.4%)、奨学金37.3万円(19.4%)、アルバイト36.7万円(19.0%)、定職・その他4.3万円(2.2%)で賄われている=表4。
ただ、年間生活費が2018年度比で大きく減少しているのと同様に、収入も2018年度の200.1万円から192.8万円へと7.3万円(3.6%)減少している。
その要因は、家庭からが119.7万円から114.5万円に5.2万円(4.3%)、アルバイトが40.2万円から36.7万円に3.5万円(8.7%)減少したことが大きい。
このように、2020年度の大学生、短大生の収入は減少し、それに伴って生活費が減少している。その要因は、家庭とアルバイトによる収入が減少したことにある。
2020年度は新型コロナウイルスの感染拡大により、授業が中止やリモートになる一方で、親の収入が減少するとともに、アルバイトができない状況となった。新型コロナは学生生活にも大きな影響を及ぼした。