2020年度の学生の生活は、仕送りやアルバイトによる収入減が影響し、生活費が減少するなど、新型コロナウイルスの感染拡大が大きく影響した姿が、日本学生支援機構の調査により明らかになった。
年間生活費...大学生10.1万円(5.3%)減、短大生7.2万円(4.4%)減
日本学生支援機構が2022年10月21日、大学生、短期大学生の3万7591人から回答をまとめた「令和2年(2020年)度学生生活報告」を公表した。調査は昼間部と夜間部の学生を対象に行われているが、昼間部の学生について、結果を取り上げていく。
まず、年間の生活費を見ていくと、2020年度の年間の生活費は大学生が181.3万円、短大生が155.6万円となった。大学生は2018年度から10.1万円(5.3%)減少、短大生は同7.2万円(4.4%)減少した。両者とも2014年度から連続で増額していた生活費は、2020年度に減少に転じた=表1。
生活費の内訳を見ると、大学生は学費が114.9万円と2018年度比6.0万円(5.0%)減少、生活費が66.4万円と同4.0万円(5.7%)減少した。短大生は学費が106.2万円と同2.8万円(2.6%)、生活費が49.4万円と同4.4万円(8.2%)減少した。両者とも学費、生活費の両方が減少しているが、生活費の減少が大きくなっている。
ただ、年間生活費は設置者、住環境によって大きな格差がある。
設置者別では、国立大が143.2万円、公立大が137.3万円に対して、私立大は192.9万円と国立大よりも34.7%、公立大よりも40.5%高い。短大では公立が109.0万円に対して、私立は158.1万円と45.0%高くなっている。
内訳を見ると、学費は国立大が59.2万円、公立大が60.5万円に対して、私立大は131.1万円と国立大、公立大の1.2倍程度となっている。また、短大は公立が48.4万円、私立が109.2万円と私立は公立の1.3倍程度となっている。
学費と反比例して、生活費は国立大が84.0万円、公立大が76.8万円、私立大が61.8万円、短大は公立が60.5万円、私立が48.8万円と、いずれも国公立の方が私立よりも余裕のある生活費となっている=表2。