日産の課題は、必要資金の確保をどうするか
両社の交渉の大きなポイントとみられたのが、フランス政府の対応だ。
ただ、かつて、積極的に介入を試み、日産の反発をうけた反省からか、マクロン大統領は「連合の強化や未来戦略の発展に資する全ての動きを国は後押しする。ルノーの経営陣に全幅の信頼を置いている」(10月17日付フランス紙インタビュー)と述べるなど、静観の構えとも見える。
ただし、フランス政府は国内の雇用を特に重視しているだけに、両社の協議の内容によっては、介入する可能性も否定できないところだ。
もう一つの焦点は、日産が必要資金をいかに確保するかだ。
ルノーよりは余裕があるとされるが、自動車事業のネットキャッシュは2022年6月末時点で8264億円と、新型コロナウイルス禍前の2019年3月期末の1兆5982億円からほぼ半減している。
足もとの日産の時価総額は2兆円弱で、43%から15%に引き下げる「28%分」を買い戻すとすると、単純計算で約5600億円が必要になり、ルノーのEV新会社に出資すると、負担はさらに膨らむ。
一方、ルノーとしては、日産の株価が低迷していることから、一度に手放すのは避けることも考えられる。その場合、信託などの手法で段階的に売却するとの見方が出ている。いずれにせよ、日産は何らかの資金調達を検討することになる。