大手携帯に参入した「楽天モバイル」、格安サービスが手薄に?
ここで疑問が湧く。「総合満足度」と「おススメ度」で最下位の「楽天モバイル」が、なぜシェアで1位を維持しているのだろうか。MMD研究所の調査担当者に取材すると、こう説明した。
「楽天モバイルは、2020年4月に自前の回線を使ったサービス『Rakuten UN‐LIMIT』を開始して、大手携帯電話業界に参入しました。しかし、格安スマホサービスの『楽天モバイル』はそのまま残し、現在も並行して続けています。楽天ユーザーの中には、『Rakuten UN‐LIMIT』に契約を切り替えないで、『楽天モバイル』を使い続けている人がまだ多くいると思われます」
「ただし、『楽天モバイル』の公式サイトを見ても、もうキャンペーンは行われず、細かなサービスもいくつか終了して、会社としては『Rakuten UN‐LIMIT』のほうに力を注いでいるように見受けられます。一方、ここ2年ほど、携帯電話の値下げ競争が起こり、大手3社の料金が格安スマホに近づいてきました。格安スマホ側も懸命に電波状況の改善やサービス向上を図っています。その差が出た結果だと思われます」
調査は2022年9月17日~9月22日、スマートフォンを持つ18歳~69歳の男女3万6535人を対象に行なった。また、予備調査として「楽天モバイル」「OCNモバイルONE」「mineo」「IIJmio」「イオンモバイル」「BIGLOBEモバイル」の6つのサービスの利用者それぞれ150人を選び、サービス内容の満足度などを聞いた。予備調査は人口構成比に合わせるウエイトバック集計が用いられた。
(福田和郎)