「介護難民」にならないために
「週刊ダイヤモンド」(2022年10月29日号)は、「親のため自分のために選ぶ介護」と題し、施設と住まいの最新情報と選び方をまとめている。また、有料老人ホーム・ランキングベスト1000を発表、役に立つガイドになっている。
最初に、「介護難民」にならないための準備を説いている。「要介護になっても最期まで住み慣れたわが家で」と願う人は多い。だが、その願いをかなえるのは、家族とお金だという。
「在宅介護の限界は排せつ」という指摘が生々しい。
高齢者の下の世話は家族もやりたがらないし、される方も嫌がる。ホームヘルパーを長時間入れると、自己負担が増えてあっという間に20万円を超えてしまう。そこで、20万円以下の費用で済む施設に移るケースが多いそうだ。
団塊世代が75歳以上になる2025年には、要介護者は600万人を超え、介護人材が約32万人不足する、と厚生労働省は予測している。
また、同誌は、代表的な高齢者向けの施設・住宅をタイプ別に紹介している。公共型には特別養護老人ホーム(特養)、介護老人保健施設(老健)などがあり、民間型には介護付き有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)などがある。
特養にはなかなか入れないと言われたが、2015年に入居条件が要介護1以上から3以上に引き上げられたこともあり、実際の待機者は意外と少ないという。資金的な余裕がない場合は真っ先に検討したい施設だ。
老健は病院と家の中間的な位置付けで原則3~6カ月程度しかいられない。別の施設に住み替えたり一時的に入院したりするなどして、老健に長期間入っている人もいる。
◆特養選びのチェックポイントとは
特養を選ぶ際のチェックポイントを見て、厳しい実態を感じた。
看取りへの支援体制や医療体制は当然だが、職員の教育体制や退職者数、事故・虐待の発生状況や発生時の対応策などもチェックの対象になっている。特養だけでなく、サ高住などに入る際にも応用が利く。
有料老人ホームのランキングベスト1000には、エリア別、金額別、タイプ別に掲載。5年間でどれくらい費用がかかるか、それを見るだけでも役に立つかもしれない。
ブランドごとの価格帯と介護サービスの充実度を見ると、質の高いサービスは費用も高いことがわかる。5年間で5000万円近い施設もある。最終的には、懐具合との相談になるようだ。