上司は感情を抑えるべき?
アンガーマネジメントは、「怒りを感じたら6秒待つ」などを学び実践していくものです。技術的にはさほど難しくなく、身に付ける意義はあるでしょう。しかしその一方で懸念されるのは、上司の皆さんが「上司たるもの、感情を抑えるべきだ」と思い込むことです。
感情を無理に抑え込むことは、人間として自然な姿ではありません。「上司が部下の心を動かす」との観点からは、ときには感情を表現することも必要だと私は考えています。上司の皆さんには、「感情を見せた叱り方など、一切まかりならん」とは考えないでいただきたいのです。
では、部下を叱る際には、どのような心構えと方法を取ればよいのか――。<注意すると、すぐに「パワハラ」と言い立てる部下...どう対応する?【上司力を鍛えるケーススタディ CASE14(後編)】(前川孝雄)>で解説していきます。
※「上司力」マネジメントの考え方と実践手法についてより詳しく知りたい方は、拙著『本物の上司力~「役割」に徹すればマネジメントはうまくいく』(大和出版、2020年10月発行)をご参照ください。
※「上司力」は株式会社FeelWorksの登録商標です。
【プロフィール】
前川 孝雄(まえかわ・たかお)
株式会社FeelWorks代表取締役
青山学院大学兼任講師、情報経営イノベーション専門職大学客員教授
人を育て活かす「上司力」提唱の第一人者。リクルートを経て、2008年に管理職・リーダー育成・研修企業FeelWorksを創業。「日本の上司を元気にする」をビジョンに掲げ、「上司力研修」「50代からの働き方研修」「eラーニング・上司と部下が一緒に学ぶ パワハラ予防講座」「新入社員のはたらく心得」などで、400社以上を支援。2011年から青山学院大学兼任講師。2017年働きがい創造研究所設立。情報経営イノベーション専門職大学客員教授、一般社団法人 企業研究会 研究協力委員、一般社団法人 ウーマンエンパワー協会 理事なども兼職。連載や講演活動も多数。
著書は『50歳からの逆転キャリア戦略』(PHP研究所)、『「働きがいあふれる」チームのつくり方』(ベストセラーズ)、『コロナ氷河期』(扶桑社)、『50歳からの幸せな独立戦略』(PHP研究所)、『本物の上司力~「役割」に徹すればマネジメントはうまくいく』(大和出版、2020年10月)等30冊以上。近刊は『人を活かす経営の新常識』(FeelWorks、2021年9月)および『50歳からの人生が変わる 痛快! 「学び」戦略』(PHP研究所、2021年11月)。