「前川孝雄の『上司力(R)』トレーニング~ケーススタディで考える現場マネジメントのコツ」では、現場で起こるさまざまなケースを取り上げながら、「上司力を鍛える」テクニック、スキルについて解説していきます。
今回の「CASE 14」では、注意すると、すぐに「パワハラ」と言い立てる部下のケースを取り上げます。
「課長、それってパワハラですよ!」
【上司(課長)】Aさん。君は来期から新人の教育担当だから、今度の「OJTリーダー研修」受講してほしいんだが...。
【部下(Aさん)】私、以前だいぶ勉強しましたから受けなくて大丈夫です。ちょうどこれからが繁忙期ですし。
【上司】しかしね、部署として受講歴も必要なんだ。何とか都合つけてくれないか...。
【部下】そんな形式にこだわるの無駄ですよ。でしたら課長が受講して、ミーティングで共有してくださいよ。
【上司】なにっ、オレに行けというのか! 怪しからんことを言うな!
【部下】ほら。そうやってすぐに怒るじゃないですか。課長こそ、人の育て方を学んできてくださいよ。
【上司】何だと! いったい上司を何だと思ってるんだ!
【部下】課長、そんな怒鳴り方はパワハラですよ!会社の防止規程に引っ掛かります。
【上司】えっ、まさか...。ハハハ...冗談はやめにしよう。まあ忙しいなら仕方ないな...。