【1万円からはじめる暗号資産】「9月の米消費者物価指数」発表後たった数時間で、総悲観からリスクオンに変わり...学生トレーダーどう出たか?【暗号資産バトル 第20節】

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   インターネットコンピュータ(ICP)とビットコインの統合って、どういうことか? 明治大学の城正人さんは、前回に引き続き、初心者に伝えたい、仮想通貨の「技術」について解説してくれた。

   北海道大学の花野直樹さんは、「今週は久しぶりにポジションをとって、利益を出すことができました」。米国の消費者物価指数の発表をねらっての取引が功を奏したが、どんなねらいがあったのか、説明してもらいましょう。

インターネットコンピュータとビットコインの統合は、夢広がる可能性を秘めている(明治大学 城正人さん)

   先週に引き続き、今週はICPのビットコイン統合の解説(後編)ということで、「いかにしてBitcoinのブロックチェーンとICPを統合したのか」について解説していきます。

   関連記事:【1万円からはじめる暗号資産】インターネットコンピュータ(ICP)とビットコインの統合って、どういうことか?【暗号資産バトル 第19節】(2022年10月15日付 J-CASTニュース 会社ウォッチ)

   少々とっつきづらい技術的な話にはなりますが、ビットコインの根幹を成す部分についての解説です。仮想通貨の技術を「なんとなく凄そう」と感じているだけに留まらず、「冬の時代」に勉強しておきませんか。

◆ビットコインとの統合とは(後編)

◆BTCを直接扱う原理
さて、イーサリアムブロックチェーン上では、BTCを直接扱えないためにWBTC(ラップドビットコイン)として、「ラップ」の作業を行い、ビットコインを取り扱います。

しかし、ICPの場合はそれが不要。生のビットコインを直接扱い、セキュリティが高いという触れ込みでした。しかし、そもそも扱っているブロックチェーンが異なる上、2008年に初めて生まれたビットコインは当然、他のブロックチェーンとの互換性はありません。

それでは、どのように直接扱っているのか日本一わかりやすく解説していきます。

◆ビットコインの取引はどうやって行われる?
ビットコインの取引を図解してみると、以下のようになります。実は、ビットコインの取引は、世界中に公開されている公開鍵と、アカウント所有者しか知らない秘密鍵の2つを利用して行われています。

今回、こちらは本題ではありませんから、こんなもんなのか、とサクッと頭の片隅に置いておいてもらうだけで、大丈夫です。

ようするに、秘密鍵を所有し署名するという作業ができるなら、誰でもビットコイン上にデータ(たとえば、ビットコインの送付など)を流すことができるのです。
ここに、ICPでは解決の糸口を見つけました。

◆ICPのキャニスターが秘密鍵を所有?
以前の記事では、「ブロックチェーンの力を使い分散性、永続性に優れた世界中からアクセス可能な巨大なコンピュータを作るプロジェクト」とご紹介しました。
具体的にいえば、ICPはキャニスターと呼ばれる仮想の小さなコンピュータの集合体。各自、料金を払うことで、各自のキャニスターを動かすことが可能です。

この仮想のコンピュータにビットコインの秘密鍵を所有。必要に応じて、署名させることで、ビットコインとの統合は実現されました。

BTCとICPの統合によって、スマートコントラクトの機能のついていないICPでもDeFi(分散型取引所)などの作成が可能になります。
BTC払いの保険商品の登場や、遊ぶことでBTCがもらえるゲームなども考えられ、夢が広がりますね!

◆まとめ
ICPの技術についてここ最近、追ってきました。私はこれからの仮想通貨を支える技術になるのではないかと期待しています。今後も、初心者の方がとっつきづらい技術的な側面をわかりやすく解説しようと思います。よろしくお願いします。

◆今週の取引
無し

保有資産
BTC 0.0002枚 現在1枚当たり290万円 評価額は5800円
保有現金 4,176円

前週からの損益    プラス132円
10月14日現在       9976円

◆池田昇太のワンポイントアドバイス
先週(10日週)の末は久々に大きな値動きが見られましたね。2万ドルの価格帯を超える様子は見られなかったものの、ギリギリのラインまで近づき、反発に合っています。相場の様子が変化するまでは、もう少し時間がかかりそうです。
また、ICPの技術については追い切れていなかったため、勉強になる内容でした。ビットコインはあまり汎用性が高いとはいえず、現在はイーサリアムのように、スマートコントラクトを利用できるブロックチェーンを導入するケースが多く見られます。
しかしICPのような技術が進めば、今後はビットコインのブロックチェーンを活用できる場面は増える可能性があるように思えます。
城 正人(じょう・まさと)
城 正人(じょう・まさと)
明治大学経営学部
2021年に引き続き、出場します! 投資対象として仮想通貨に興味を持つも、その技術の持つポテンシャルに惹かれDapp開発に着手。投資家としてだけでなく、開発者としての視点からの投資戦略も立てていきます!
Twitter: https://twitter.com/dennoah_jo

CPIショックで相場は乱高下、BTCの今後の値動きは?(北海道大学 花野直樹)

   今週は久しぶりにポジションをとって、利益を出すことができました。それではさっそく、エントリーした理由や、今週のニュースから今後の展望を描いていきたいと思います。

   まず今週は、今年の下落相場の要因となっているインフレ率を示す指標CPI(消費者物価指数)が日本時間13日21:30に発表されました。

   結果は市場予想より若干上振れ、つまりインフレはまだまだ収まっていないというものでした。これを受けて、金利が上昇し、株価指数が大幅下落。それにつられて、仮想通貨も下落しました。

   これをみて僕は、このまま続落かなと思っていましたが、その予想とは裏腹に22:30にニューヨーク市場が開くと、株価は大きく上昇し、その日の高値を超えるまで反発しました。金利やVIX(恐怖指数)も下がり、たった数時間で、一気に総悲観からリスクオンに景色が変わりました。

   ビットコインのチャート(下図)を見てみると、4時間足レベルで大きな下髭をつけており、1時間足も200MAを抜けたためテクニカル的にも買いと判断し、0.003BTCをロングでエントリーしました。

   しかし翌日14日のNY市場が開くと、寄りで上昇しましたが、その後ずるずると下げてきてしまいました。BTCを見ると、ちょうど4時間足の200MAで跳ね返されていたため、かろうじてプラスで利確しました。

   今回のトレードは正直、ここから中間選挙~年末まで上昇するのではないかと思ってエントリーしました。しかしその根拠は、値ごろ感と指標結果に反して、大きく上昇したため、悪材料出尽くしかと判断したためでした。

   しかし想定した上げの勢いも出ず、金融政策やインフレを見てみると、上がる理由はどこにもなく、ショートカバーでしかありませんでした。結局これらも後付けなのですが、もっとその場での冷静で正確な判断と、相場の経験を積まなければ、と反省した週でした。

   最後に、今後の相場展望なのですが、BTCと連動している株を考えると、年初来の安値圏にあり、ここから下にはいかないのではないか、というバイアスがかかってしまいますが、やはりまだまだ下落トレンド継続かと思われます。

   しかし最近の値動きは、下値を切り下げてどんどん下がるというよりは、乱高下を繰り返しており、これはトレンド転換のサインか、という話もあります。

   また、今年に入ってからのベアマーケットラリーのサイクルは約3か月ごとに訪れており、それを考えても、そろそろラリーが来てもおかしくないのではないかと考えています。

   BTCに関しては18200~20000ドルのレンジを抜けることができず、動きもあまりありません。よって、株価と合わせてこのレンジをどちらにブレイクするかに注目していきたいと思います。

前週からの損益       プラス237円
10月14日現在           9991円

◆池田昇太のワンポイントアドバイス
ビットコインは未だにレンジ相場の中で値動きしていますが、先週(10日)末は大きく動きました。13日木曜にスパイクローが見られて一時的に上昇するも、2万ドルのラインは超えられず、反発しています。おっしゃる通り、金融政策やインフレの状況で上昇にはなりにくいのではないかと思われます。
日足レベルで見ると下落トレンドは6月から鈍化していて、短期的には2万ドルを超えられるかどうかが注目されていますね。中長期的には2万3000~5000ドルあたりを超えたところで、トレンド転換と言えそうです。
仮想通貨のボラティリティを考えると、トレンドが反転すれば、一気に超えてきそうなラインではありますが、ひとまずは現在のレンジを上抜けしたタイミングでロングする、という戦略も有り得るのではないかと考えられます。
花野 直樹(はなの・なおき)
花野 直樹(はなの・なおき)
北海道大学工学部4年
北大金融研究会の所属。ふだんはテクニカル分析を使った株式の短期トレードをしています。やるからには1位をとれるよう、頑張ります!

※取引をお休み(東京大学 迫嵩明さん)
前週からの損益    プラス・マイナスゼロ
10月14日現在             1万円

迫 嵩明(さこ・たかあき)
迫 嵩明(さこ・たかあき)
東京大学文科二類2年
学生投資連合USIC代表
高校3年生の時に株式投資のおもしろさに目覚める。日本株、米国株、仮想通貨投資を行う。長期的に伸びる市場でビジネスを展開している企業に長期投資することをモットーとしており、テンバガーを虎視眈々と狙っている。 金融を学ぶ「おもしろさ」、投資を始める「意義」を多くの人に知ってほしいと切に願う。
学生投資連合USIC:https://www.usic2008.org/

◆◆アドバイザーのプロフィール

池田昇太(いけだ・しょうた)
池田昇太(いけだ・しょうた)
池田昇太(いけだ・しょうた)
フリーランスのWebディレクター。金融系メディアを対象に執筆やディレクター業務に従事。投資歴7年。FXと仮想通貨をメインにトレードしています。ファンダメンタル分析よりかはテクニカル分析を好む。最近はNFT(非代替性トークン)の詐欺事例、法的問題について関心あり。
大学対抗戦「暗号資産バトル」競技ルール
・元本は1万円。
・通貨の選定は自由。ただし、国内の事業者で買える暗号資産に限定。
・レバレッジはかけられません。
・20%を超えて下げた場合は、強制的に取引を停止(ロスカット)とする。
・元本割れは1回まで。2回、資産を失った場合は、その時点でリタイアとする。
・運用期間は6か月。最終週時点での資産増減額で順位を決める。

学生投資連合USIC 「学生の金融リテラシー向上」を理念に全国26大学1000人以上で構成。企業団体・官公庁との勉強会の開催、IRコンテストの運営、金融情報誌「SPOCK」を発行する。
http://usic2008.com/

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