米メディア、「中国人観光客が押し寄せる前に、〇〇に行っておこう!」
とはいえ、久しぶりの日本観光をしっかりとエンジョイしている外国人観光客もたくさんいるようです。フランスのAFP通信は、「Dream come true: Japan reopens to tourists」(夢が実現した:日本が観光客入国制限撤廃)と題した記事を配信しました。
「日本びいき」が多いお国柄を反映してか、マスクの着用や消毒液の設置など、他国と比べて厳しい日本のコロナ対策にも、「Many arriving tourists seemed unfazed by the rules」(多くの観光客はそんなルールをまったく気にしていない)と好意的。
さらには、「There is certainly no shortage of demand」(日本観光の需要が減ることはない)という、パリ旅行代理店の力強いコメントも紹介して、「日本推し」のスタンスを明確にしています。
個人的に面白いと思ったのは、米ブルームバーグ通信の「The best places to visit in Japan before swarms of tourists arrive」(観光客の大群がやってくる前に、日本で訪れるべきところ)という記事です。「ジブリパーク」「京都」「築地魚市場」といった定番観光地に並んで「おススメ」しているのが、デパートの「伊勢丹新宿店」!
パンデミック中に改装をして、「コスメフロアやエルメス店舗が拡大」した同店は、中国人観光客に非常に人気が高いことから、「彼らの大群が押し寄せる前に、ぜひ行っておくように」と勧めているのです。
実用的なアドバイスが、いかにも米国風。伊勢丹に外国人観光客が殺到するのか、記事の影響が気になります。
それでは、「今週のニュースな英語」は、「best places to~」(~をするのに最高の場所)を使った表現を取り上げます。
Best places to see cherry blossom in and around Tokyo
(東京周辺、お花見のおススメスポット)
Sapporo is the No. 1 best place to live
(札幌は、住むのにナンバー1の地区だ)
Best place to eat and drink in Kyoto
(京都で飲食する最高の場所)
それにしても、英国、フランス、米国それぞれのメディアによって、「目のつけどころ」が異なることが伝わってきます。
冷静な英国、日本好きのフランス、実用的な米国...。興奮気味の日本メディアでは味わえない視点が面白いと思いました。これぞ、海外メディアウォッチのだいご味です。
(井津川倫子)