今再び! 中国人観光客のインバウンド消費に期待
直近ですと、中国の台頭は日中の経済関係の変化にとどまらず、米中の覇権争いにまで波及しています。
また、新型コロナウイルスの感染対策では、中国が「ゼロコロナ政策」を堅持し、厳しい外出制限などを実施したために、中国からの部品供給が滞り、日本の自動車や家電メーカーの生産・販売に大きな影響が出ました。そういったリスクを踏まえ、日本企業では中国への依存度を下げようという動きも出ています。
具体的には、働き手が確保しやすく、インフラや物流網が充実しているベトナムやフィリピンなどへの投資が進んでいると、よく聞くようになりました。
その一方、急速な円安の進展とコロナ禍の制限緩和で、再びインバウンド消費が期待されるなか、多くの中国人観光客が日本にやって来ることが待たれます。日本としては、中国の「ゼロコロナ対策」が早く緩和されて、円安による景気悪化を少しでも和らげたいとの思いが日に日に強まっているのです。
こうしてみると、経済パートナーとしての中国との関係は今、アクセルを踏むのか、ブレーキをかけるのか、すごく微妙です。今後、中国とどう向き合うのか、どういう付き合い方がよいのか――。
積極的に中国市場に打って出る分野と、守るべき分野を見極めたうえで、政府や企業が課題を共有し、中国に向き合うことが求められることが考えられます。
では、また!(馬医金満)