「15年連れ添う中で風化してしまった感情の名残雪」
――また、「まさに同じ理由で離婚しました。別れて幸せです」「私も同じ境遇ですが、あなたのように経済力があれば別れたいです」と、同じ立場の妻からも共感の声がよせられています。
川上敬太郎さん「同じような境遇で離婚したいと考えているものの、それが実行に移せない妻は少なくないのだと感じます。離婚を押しとどめている大きな原因となっているのが、お子さんへの影響と経済力なのだと思います。
お子さんへの影響については避けようがなく、自分の力だけで解決できるものではありませんが、経済力は自分の意思と行動次第で解決できる可能性があるものです。いざという時に選択肢の幅を狭めてしまうことにならないよう、一定水準以上の経済力を持っておくことは、妻の人生にとって重要な観点なのだと思います」
――しかし一方で、「夫に対して、『いらない』という言葉はモノ扱いをしているようで失礼だ」と、投稿者の上から目線に見える姿勢に反発する意見も多いです。
川上敬太郎さん「『いらない』と、まるでモノに対して使うような言葉が出てしまうほど、夫に対する感情が冷めてしまっている、ということなのかもしれません。一方で、そこに滲(にじ)む不満の感情も見えます。15年連れ添う中で風化してしまった感情の名残雪のような、悲しい言葉だと感じます。
ただ、『いらない』という言葉はあくまで投稿者さんから見た視点で発せられたもののようですね。仮に夫がDVを振るうなど、子どもたちが明らかに敬遠しているような場合は別かもしれませんが、子どもたちにとってはたった1人の父親です。投稿者さんに気を使って言っている可能性もありえます。子どもは時に、大人が思っている以上に状況を深く理解していることがあるので、じっくりと子どもたちの本音に耳を傾ける必要があると思います」
今回の話題について、川上さんのアドバイスも熱を帯びました――。<自分より年収3分の1以下の夫、家事育児ゼロ、家計負担ナシ...それならポイ捨て? 女性の投稿が炎上...経済力持つ妻に、夫は不要? 専門家に聞いた(3)>にまだまだ続きます。
(福田和郎)