自分より年収3分の1以下の夫、家事育児ゼロ、家計負担ナシ...それならポイ捨て? 女性の投稿が炎上...経済力持つ妻に、夫は不要? 専門家に聞いた(1)

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   年収が自分より3分の1以下。家事育児を全くやらないし、家にお金も入れない夫。「こんな旦那ならいらないですよね?」。そう悩みを訴える女性の投稿が炎上気味だ。

   この女性は、子育てのため仕事をセーブしているが、フルタイムなら年収3000万円以上だという。また、結婚当初から家にお金を入れる割合は妻7:夫3だったが、夫は起業して「まだ大変」ということで「ゼロ」に。飲んで帰ることが多い。2人の子どもに「パパいる?」と聞くと、「いなくてもいいい」という返事。

   この投稿には「女性が完全に自立すると、夫はいらなくなる」「ポイ捨てしなさい」という共感と、「夫をモノ扱い」「子どもがかわいそう」という批判の声も。

   妻が圧倒的な経済力を持った典型的な「格差婚」の夫婦、どうすれば幸せになれるのか。専門家に聞いた。

  • 夫と別れるべきか悩む女性(写真はイメージ)
    夫と別れるべきか悩む女性(写真はイメージ)
  • 夫と別れるべきか悩む女性(写真はイメージ)

「あれ?旦那なんていらないんじゃない?」と思ってしまった

   話題になっているのは女性向けのサイト「発言小町」(10月3日付)に載った「あれ?旦那様いらなくないか?!」というタイトルの投稿だ。現在、小中学生2人の子を持つ女性で、こんな内容だ。

「私、夫ともに40代で結婚約15年。息子は中学生と小学生です。結婚当時、私と夫の収入差が3~4倍あったため、生活費の7割を私、3割を夫が負担する約束でお互い毎月共有口座に入れて生活を始めました」

   ところが数年前、夫が独立することを思い立ち起業したらしい。最初は大変なので、家にお金を入れられない、と言われて了承。数年経った今、夫の会社は社員が数人いるのだが、いまだに1円も家にお金を入れていない。

「生活費から私立の学費や習い事などの子どもの教育費、家賃、冠婚葬祭まですべて私が負担しています。夫は家事には一切関与せず、育児も気が向いた時に相手をする程度、学校や習い事にも積極的に関わることはなし」
妻の私が家にお金を入れている(写真はイメージ)
妻の私が家にお金を入れている(写真はイメージ)

   さらには、パパ友という名の呑み仲間としょっちゅう飲みに行く。ベロベロになって家まで帰って来られず、自分の会社に泊まることも。それだけに、この人も思うところがあった。

「先日、急にハッと『あれ?旦那なんていらないんじゃない?』と思ってしまいました。離婚...という文字が頭に浮かびます。今は下の息子が小学生なので仕事をセーブしていますが、この子が中学生になればフルタイムで働き、年収も3000万~3500万くらいになると思うので、親子3人暮らすのに困ることはないと思います」

   そして、こう結ぶのだった。

「子どもたちにも『機嫌いい時のパパだったらいいけど、基本いなくてもいい』と言われてしまいました。(中略)皆様だったらどうされますか?」

   また、女性は追加の投稿で夫に対する思いをこう語っている。

「夫が家にお金を入れてくれないことに特別強い不満はありません。入れてくれてもいいのにな~くらいの感情です。(中略)家事はちょっと分担して欲しいですが、それは夫が断固拒否。喧嘩になるので、これもじゃあ私がやるからいいわと思っています」
「『結婚する意味ってなんだろう』という気持ちが急に湧いてきたのです。夫が不倫をしていたとしても別に今迷惑を感じていないので、私の目に映らないのであればいいです。年を取って介護が必要になれば私は夫のことはちゃんと看る気でいます」

「捨てるなら早目に...人生はタイミングです」との声

夫は家事を拒否、妻の私がワンオペでこなしてきた(写真はイメージ)
夫は家事を拒否、妻の私がワンオペでこなしてきた(写真はイメージ)

   この投稿には、「そんな夫はいりません!」「さっさと捨てましょう!」と、早めの離婚を勧める意見が相次いだ。

「ご主人はあなたを頼りにしているというよりは、完全に舐めきっていますね。家庭を営む意思が見えません。家事の分担はイヤ、家計の負担もイヤ、円満な家庭があって、稼ぎのいい妻もいる。そりゃ、居心地いいわ。まるで、実家暮らしの子どもと同じじゃないですか。そんな姿をお子さんに見せていていいのですか?」
「まさに同じ理由で離婚しました。おんぶに抱っこで冗談じゃないので。たぶん夫からは妻ではなく母を求められていたのでしょう。いまは母子で楽しく暮らしており、外食、映画、旅行など楽しみまくっています。毎日飲んだくれ、家事育児何もせず妻のお金、労力ばかり要求する、手間のかかる血の繋がらない年とったおじさん子どもなんて鬱陶(うっとう)しいだけです」
「捨てるなら早目に、です!友人に離婚を考えていた矢先、夫が脳梗塞で倒れて捨てられなくなった、という人もいます。人生はタイミングです。(中略)要らない夫は、いなくなっても何も困らないどころかメリットだらけです! 感謝して捨てて、新たな人生を!!」

   また、こんなアドバイスをする人もいた。

「生活は今まで通りでいいんじゃないでしょうか。籍だけ抜いて、他人だと思えば、感情的にもならず、いろいろ即決できると思います。金銭的援助はお互いなし。万が一、夫が事業に失敗してもあなたに被害はないでしょう」

「ゴロゴロしているライオンのオスだと思って...」との声

メスに狩りをさせてゴロゴロしているライオンのオスみたい?(写真はイメージ)
メスに狩りをさせてゴロゴロしているライオンのオスみたい?(写真はイメージ)

   一方、夫に対してまるでモノのように「いらない」という言い方がひどい、「感謝の気持ちがないのか」「子どもが可哀そう」という反感も多かった。

「私なら、あなたみたいな考えの人がいらないです。そもそも、人のことを『いる、いらない』という発言が失礼すぎるのですが。感謝とかないのですか?(中略)子どもに『お父さんは基本いなくてもいい』なんて言わせてしまうあたり、どんな聞き方をして言わせたのだか」
「もう夫は用済みで離婚までカウントダウンが始まったということでしょうか?ただ子どもが欲しかっただけで結婚したのだと思われても仕方ないですよね。金の切れ目が縁の切れ目。何とも虚しい気持ちです」

   投稿女性には経済的な余裕があるので、「離婚をしないで、いざという時のためにキープしておいたら」という意見もあった。

「私だったら『ライオンのオスだと思って現状維持』です。あなたのお悩みを見て最初に浮かんだ感想が『ライオンの夫婦みたい』でした。ライオンも普段の狩り(家事)や育児をするのはメスだけで、オスはゴロゴロしているだけ(なのに獲物は真っ先に食べる)だそうですね。じゃあ何のためにオスがいるのかと言ったら、外敵(他のオス)から妻子を守って戦うためだそうです。なので、夫がいざという時頼りになる人なら、『用心棒』だと思って現状維持です」
「たいていの男性はどこかしら、女性のほうが稼ぐのは男のプライドが許さない、妻と子は俺が養うみたいな感じがあると思うのですけど、旦那さんにはそもそもそういうものがないのですかね?(中略)それなのにあなたは特に不満にも思わず、迷わず介護するつもりなんて、『聖母ですか?』って感じです」

   なかには、皮肉を込めての哲学的な見方も...。

「石ころにも存在理由はある。どこかで聞いた話。いつか地球がカチッと音をたてて宇宙の一部になるときに備えて、地球の表面をカチッとはまる形に整えるために、有機物も無機物も万物の活動が存在しているのだそうですよ。(中略)旦那さんの存在も、家庭がとか社会がとかでなく、もっと大きな流れの一部として考えてみてはいかがでしょうか。『あなたはさー、地球の表面を整えているのだね』と旦那さんに聞いてみてくださいね」

「女性が経済力を持ったら、男はいらなくなる」との声

子どもにとって父親は必要だ(写真はイメージ)
子どもにとって父親は必要だ(写真はイメージ)

   ところで、「妻が生活力を持てば、夫の存在は必要なくなる格好のケース」「妻と夫の立場を逆転させて考えてみたら?」といったジェンダー的な面からの指摘も寄せられた。

「女性が経済力を持ったら、男はいらなくなるのですよ。私は、中学生くらいの頃から『将来はそうなるだろうなあ』と思っていました。うちは子どものいない夫婦なので、お互いに好きなことをして(仕事、趣味、友人関係)、共同生活のような事をしていますけど。たまたまです」
「もし、立場が男女逆だったら、(妻の方が)メッチャ叩かれますよね?(中略)妻は朝までママ友とベロベロに飲み歩き、家事、育児、学校、習い事は夫任せ。たまに気が向けば子どもと遊ぶ。こんな妻いる?という相談なら、きっと皆さん『いらない』と答えるのでは? (回答者の中で)夫を擁護している人は、逆でも同じ理由で妻を擁護するのかな?」
「生活力のある妻っていいですね。やはり、結婚するならあなたのような方が最高だと思います。経済力もあり、自立心もあり、家事もでき、育児もできる。(中略)あなたが独身でもう少し若かったら、ぜひうちの息子と結婚してほしかった」
「あなたは経済力があり、お子さんもできた。ならば、夫はもう不要。当たり前の結論ですよね。(中略)早く離婚して、彼氏でも作ってイキイキしながら暮らしたらいい。お子さんだってそこから何かを学ぶでしょう。あなたに幸多かれ。応援しています!」

「起業するのは夫にとって人生を賭けた勝負だった」

夫も起業のストレスがたまっているのかもしれない(写真はイメージ)
夫も起業のストレスがたまっているのかもしれない(写真はイメージ)

   J‐CASTニュース会社ウォッチ編集部では、今回の「年収が私の3分の1以下。家事も育児もしない夫なんかいらない?」という投稿をめぐる論争について、女性の働き方に詳しいワークスタイル研究家の川上敬太郎さんに意見を求めた。

――今回の投稿と回答者の多くの意見を読み、率直にどんな感想を持ちましたか。

川上敬太郎さん「投稿者さん曰く、数年前に夫が起業するまでは平穏に過ぎたとのことですので、逆にここ数年は平穏ではなかったと感じているのだと思います。 しかし、投稿者さんは、夫がいてもいなくてもどちらでもいい、というスタンスのようです。一方、夫のほうには、ほとんど家庭を顧みる様子がありません。投稿者さんと夫との間は、家庭に対するスタンスにおいてすでに冷めた状態にあるように感じます。
起業するのは夫にとって人生を賭けた勝負なのではないかと感じますが、投稿者さんからは夫を応援している印象を文面からは受けません。おそらく、平穏ではなかったここ数年、投稿者さんにとっても夫にとっても辛い時間が続いてしまっているのではないでしょうか。また、お子さんたちが『機嫌いいときのパパだったらいい』と言っていることも気がかりです。家にいる時、夫は機嫌が悪いことが多いのかもしれません。
お二人の子宝に恵まれ、十分以上と言える収入があり、夫は起業して社員を雇えるようになってきています。一見とても満たされた状態のようなのに、投稿者さんも夫も、幸せを感じているようには見えないことがとても気になりました」

   今回の話題について、川上さんのアドバイスも熱を帯びました――。<自分より年収3分の1以下の夫、家事育児ゼロ、家計負担ナシ...それならポイ捨て? 女性の投稿が炎上...経済力持つ妻に、夫は不要? 専門家に聞いた(2)>に続きます。

(福田和郎)

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