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メタバースが今熱い!

   「週刊エコノミスト」(2022年10月25日号)の特集は、「メタバース&ウェブ3のすごい世界」。18日(2022年10月)から千葉市・幕張メッセで始まった、先端技術の見本市「シーテック」でも目玉はネット上の仮想空間「メタバース」。同誌では、基礎知識のQ&Aをまとめている。

   冒頭、紹介しているのが、2年間で約100万人を集めたメタバース空間「バーチャル渋谷」だ。東京・渋谷の街をネット上に再現した仮想空間で、パソコンやスマホ、あるいはゴーグルのようなVR(仮想現実)端末を装着して参加する。

   自分の代わりになるアバター(分身)が動く。定期的にイベントが開かれ、2020年の「ハロウィーンフェス」には約40万人が参加したという。

   「バーチャルマーケット」というメタバースには、60~80社の企業が参加、客と店員のアバター同士がやりとりし、買った商品は後日、自宅に届く仕組みだ。ネットとリアルが融合したものだ。

   順天堂大学付属順天堂病院にそっくりなメタバース空間も11月に開業する。メンタルヘルスなどの患者がアバターで「来院」し、症状の改善に役立てるという。日本でも経済活動や医療分野でメタバースの利用が始まった。

   一方では、懐疑論もあるようだ。京都大学特任准教授の山本康正氏は「メタバースは、掛け声倒れに終わる可能性があり、先行きは厳しい」と見ている。メタバースが注目されて1年になるが、現在までスマッシュヒットになるような商品は出ていない、と指摘。米国ではすでに鎮静化しているというのだ。

   GAFAという巨大IT企業の情報独占に対抗するかたちで、非中央集権的な仕組みでつくられた「ウェブ3」も「過度な期待のピーク期」にある、と指摘するのは、IT情報会社のガートナー。

   プラットフォーマーが不在なフラットな組織でビジネスや慈善活動を行うなどの理念は高いものの、現実にそれが可能なのか、本当に求められているのか、「答えは出ていない」と説明している。

   メタバースに似たようなものとして、07年に話題となった仮想空間セカンドライフがあった。尻すぼみになったが、メタバースはどうなのか? 既存の事業会社との連携に将来がかかっているようだ。

(渡辺淳悦)

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