50代からでも遅くない「学び直し」
「週刊東洋経済」(2022年10月22日号)の特集は、「学び直し全ガイド 50代からの稼ぎが変わる」。岸田政権が掲げる「新しい資本主義」における目玉の1つが学び直しで、最近、リスキリング(企業内で知識やスキルに関する職業能力の再開発を行うこと)とリカレント(個人を主体とした生涯学習)という言葉をよく聞くようになった。目的別にそのガイドをまとめている。
たとえば、「将来は経営に参加したい」という人であれば、MBA取得で道が開けるという。将来の仕事に役立つ人脈が得られるのも、国内MBAの大きなメリットだ。国内MBAは大きく分けて、全日制と、夜間・土日などのパートタイムの2種類があり、さらに国公立と私立がある。
学校によって、論文を重視する「研究」系と、ケーススタディを中心とする「実務」系、その中間に分かれるという。人気の高い一橋、早稲田などでは倍率は表向き4~5倍程度。だが、さらに企業推薦枠を設けている学校もあるため、実際は10倍近くになることもあるそうだ。
最近注目されているデジタル人材を目指す人は、データ分析、そのためには統計学の勉強が必要になる。もう1つ、Webマーケティングを実践する方法もある。それにはブログを運営し、集客の実績を残すことが役立つ。本やブログのほか、動画コンテンツ、オンライン形式のセミナーもある。このほかに、情報セキュリティも花形になりつつある。2016年にスタートした「情報セキュリティマネジメント試験」という国家試験を勧めている。
副業で稼ぎたい人は中小企業診断士の受験が近道になるというアドバイスや、「仕事の英語は上達する」として、目的に応じて試験を選び、オンライン英会話を活用するというノウハウも参考になるだろう。
また、「教養力」で生き残るには、歴史や宗教学、文化人類学など人文系のほか、数学、物理学が役に立つという。
最後に、リスキリング、リカレントに最適な「場所」にも触れている。所属企業・団体内か、大学院、大学など教育機関か、資格スクールか、オンライン講座か――目的に応じて選ぶのがコツだ。教育訓練給付金など、使える制度についてもまとめている。