英仏では公共放送の受信料廃止の動きも
世界に目を向けると、英仏では、動画配信サービス普及などメディア環境の激変によって、公共放送の「受信料」を撤廃する動きが進んでいる。英国政府は今年4月28日に発表した放送政策に関する白書の中で、公共放送「BBC」の受信料の一律徴収が2028年には終了する可能性を示唆した。
フランスでも、複数ある公共放送の受信料廃止は4月に再選されたマクロン大統領の選挙公約でもあった。仏紙フィガロの報道などによると、5月11日に行われた閣僚評議会で受信料廃止の方針が示されたという。そして目下、テレビ受信料にあたる「公共放送負担税」が廃止の方向で動いている。なお、フランスでは、受信料は住民税とともに徴収されてきた。
こうしたイギリスやフランスの例を出し、「望まれているのはNHKの受信料値下げではなく、放送法の改定でしょう」と訴える意見などもあり、議論を呼んでいる。
「スクランブル化にして、加入契約者だけ視聴できるようにすれば、加入件数は減ると思いますが、無駄な料金徴収の人件費がなくなりますので、大幅なマイナスになるとも言い切れません。少なくとも私は契約が自由になったとしてもNHKを受信すると思いますし」
スクランブル化してもNHKを見続けるという人や、NHKにもメリットがあるという人もいた。こんな声だ――。
「有名タレントをこれでもかとあらゆる番組に起用する必要はありますか?(中略)私は、ニュースはNHKしか見ません。民放は雑音が多く時間の無駄だからです。大河・ダーウィンが来た・ピタゴラスイッチなど、大人に限らず子供でも学びながら楽しめる良質なコンテンツも多数あります。力技で安易に囲むのではなく、アイデアを持った人材を活かして魅力・意義ある上記のようなコンテンツを出していけばスクランブル化しても一定の視聴者は残るでしょうし、そのほうが健全といえるのではないでしょうか? 少なくとも私は、得られるものがあるのでスクランブル化でも契約します」
「民放より歴史が長くコンテンツレベルも高い、かつもともとの顧客層が全国民なので、スクランブル化しても非常に収益性が高い事業になると考えます。利益率が上がることで職員の賃金向上にも繋がり、コンテンツレベルがさらに上がる可能性があります。(中略)有力な納税企業となります。以上のことから、公共放送という大義名分をNHKが重視するのであれば、スクランブル化したほうがその大義はかなうのではないかと私は考えます。うがった見方をしても、覇権が取りやすい美味しい事業を逃す手はないと思うのですが」