明治大学の城正人さんは、ビットコインを少し買い増すのみと、取引はやや低調。こういうときは、知識を深めることが大事かもしれない。そこで、前回に引き続き、仮想通貨の「技術」面に焦点を当てて紹介してくれた。北海道大学の花野直樹さんは、「株価が上昇する要因と下落する要因が入り乱れており、本当に難しい相場だと感じている」とコメントし、引き続き「待つも相場」のかまえだ。
ビットコインをちょっと買い増し(明治大学 城正人さん)
前回はICP(Internet Computer=クラウドサービスの仕組みをブロックチェーン上で実現させるプロジェクト)のHTTPアウトコール実装の話題を取り上げました。
関連記事:【1万円からはじめる暗号資産】冷え込み厳しい仮想通貨...北大、明大の様子見続く【暗号資産バトル 第18節】(2022年10月8日付 J-CASTニュース 会社ウォッチ)
今週(10月3日週)は、このHTTPアウトコールの機能と組み合わせて、多くの利用方法が考えられるビットコインとの統合について解説します。
今回も引き続きICPの話題を取り上げますが、今後は他のブロックチェーン含めさまざまなプロジェクトをご紹介していこうと思います。仮想通貨の「冬」ともいわれる今だからこそ、今後の成長を支える技術をしっかりウォッチしておくことは重要でしょう。
それでは、さっそく「わかりやすさ」重視でお伝えします!
◆ビットコインとの統合とは(前編)
1. なぜ統合する必要があるのか
ビットコインの特徴として以下のようなものが挙げられます。
●最も有名、人気の仮想通貨
●およそ15年間にわたって大きな障害なく動き続け、信頼性抜群
●良くも悪くもスマートコントラクトの機能がない
●手数料が高く決済まで時間がかかる
※スマートコントラクトとは「100円入れたらコーラが出てくる自販機」のようなシステムで、人間を介さなくとも取引が自動で執行されるもの「スマコン」などと略されることも。
ビットコインは言わずもがな知られた超有名な仮想通貨。しかし、その古典的な設計ゆえに現在の仮想通貨と比較すると様々な点で機能が劣っていることも事実。しかし、「変わらないこと」それが一つの価値であることもまた事実。
現在、イーサリアムのようなスマコンを搭載したブロックチェーンではUniswapやCompoundなど仮想通貨の貸し借りサービスが発達しています。人間を介さず取引が行われているので手数料は安く、比較的高い金利で運用することが可能です。
しかし、ビットコインにはスマートコントラクトの機能がついていないため、生のビットコインでは貸し借りのサービスを利用することができませんでした。
そこでこれまでは、イーサリアム上にビットコインの引換券としてWBTC(ビットコインの値動きに連動したステーブルコイン)を発行しビットコインとして扱ってきました。
他のブロックチェーンの資産を移し替えるために引換券を発行する手法はブリッジと呼ばれ、さまざまな場面で利用されてきました。しかし、「ブリッジ」には大きな弱点が存在します。それはハッキングされ、ブリッジのシステムから資産を盗まれがちなこと。
原因はブロックの生成速度がブロックによってまちまちな点です。資金を動かすためにはセキュリティを犠牲にせざるをえないという点があります。
そこでICPではセキュリティの面で妥協せず、「No bridge」でビットコインを直接扱う設計となっています。
ICPの特徴をフル活用して他のプロジェクトにはみられなかったような斬新な方法で「直接扱う」ことを実現します。
それでは、来週の後編ではどうやって直接扱うのか、それで何ができるのかについてご紹介して参ります。
◆まとめ
今週はビットコインとの統合前編ということでご紹介して参りました。技術関連となるとどうしても硬派な内容となってしまいますが、きちんと理解しておくことは翁利益につながるでしょう!
◆今週の取引
10/9 ビットコイン 買い 0.0001枚(@283万4257円) 合計2834円
保有資産
ビットコイン 0.0002枚 現在1枚当たり283万4257円 評価額は5668円
保有現金 4176円
資産合計 9844円
前週からの損益 プラス51円
10月7日現在 9844円
◆池田昇太のワンポイントアドバイス
今週(10日週)は一度下落し、反発して元に戻っている様子が見られましたね。ビットコインは1万9000ドルあたりがサポートラインとして機能されているように思われます。この付近の価格帯は2018年仮想通貨バブルの天井で、意識されているのではないかと推測されます。
また、ビットコインは誕生してから何度か分岐はしているものの、メインのチェーンは当初からコンセプトがブレていないですね。いわゆる「ブロックチェーン2.0」以降、スマートコントラクトが登場してからもビットコインの基本的な要素は変わりないにもかかわらず、現在も仮想通貨の中での基軸通貨として扱われています。今後、他のプロジェクトでどのようにビットコインが活用されていくのか、注目していきたいですね。
2021年に引き続き、出場します! 投資対象として仮想通貨に興味を持つも、その技術の持つポテンシャルに惹かれDapp開発に着手。投資家としてだけでなく、開発者としての視点からの投資戦略も立てていきます!
Twitter: https://twitter.com/dennoah_jo
難しい環境、仮想通貨に勢いは出ず(北海道大学 花野直樹)
トレードに関しては今週もノーポジで終わりました。
ではまた今週も、マクロ環境とテクニカルの視点からビットコインやイーサリアムを分析していきたいと思います。
先週は記事をお休みしたので、2週間分のイベントを振り返ってみたいと思います。経済指標は個人消費の物価を示すPCEデフレーターは予想より上、製造業の景況感を示すISM製造業景況感指数は予想より悪い、新規失業保険申請件数は予想より良い結果となり物価は高く、景気に関しても陰りが見えてきました。この記事は10月7日の雇用統計の前に書いているもので、この指標にも注目が集まります。
また、イギリスではトラス政権の減税と補助金の政策を打ち出し、債券価格が暴落したトラスショック、OPECプラスの原油減産などマクロ環境は混沌としてきました。
仮想通貨の値動きを予想するうえでほぼ連動しているといっても過言ではないNASDAQ指数を見てみましょう。
NASDAQは週足200MAの価格帯にあり、そこで反発するのか下抜けしてしまうのかが注目です。ここでテクニカル的には、実は上昇するサインがいくつか出ています。まず1時間以下のローソク足を見てみると下値を切り上げて反発しています。そして、恐怖指数が高値圏にあるものの値動きは落ち着いてきており、日足のMACDを見るとデットクロスをしています。
これらの理由から短期的には上昇すると考えていたのですが、上昇の勢いも弱く、金利は高止まりのままであったので、その考えも自信が持てなくなってしまいました。
株価が上昇する要因と下落する要因が入り乱れており、本当に難しい相場だと感じております。
ではBTCはというと、相変わらず株価に値動きが連動しているものの、株に対して値動きの振れ幅が小さく18500~20400ドルのレンジ相場であり全然勢いがない状況です。このような難しい環境において、無理にポジションをとる必要はないと思うので、今後大きく相場が動くまで待ちすぎかもしれませんが「待つも相場」を続けたいと思います。
前週からの損益 プラス・マイナスゼロ
10月7日現在 9754円
◆池田昇太のワンポイントアドバイス
ビットコインはここ1ヶ月は一定の値幅を行ったり来たりを繰り返していますね。
1万9000ドルから1万7500ドルあたりは底堅いサポートラインとなっている様子で、今年の6月にも一度反発しています。もしこの辺りの水準まで下がることがあれば買い増していきたいところですね。
また、雇用統計は予想よりも非農業部門雇用者数が予増え、失業率は低下という結果を受け、ドル円が伸びているものの株式市場は上昇しませんでした。
おっしゃる通り、株価については上昇を十分に期待できない状態で、しばらくは動きを見守っていた方がいいかもしれません。
北大金融研究会の所属。ふだんはテクニカル分析を使った株式の短期トレードをしています。やるからには1位をとれるよう、頑張ります!
※取引をお休み(東京大学 迫嵩明さん)
前週からの損益 プラス・マイナスゼロ
10月7日現在 1万円
学生投資連合USIC代表
高校3年生の時に株式投資のおもしろさに目覚める。日本株、米国株、仮想通貨投資を行う。長期的に伸びる市場でビジネスを展開している企業に長期投資することをモットーとしており、テンバガーを虎視眈々と狙っている。 金融を学ぶ「おもしろさ」、投資を始める「意義」を多くの人に知ってほしいと切に願う。
学生投資連合USIC:https://www.usic2008.org/
◆◆アドバイザーのプロフィール
フリーランスのWebディレクター。金融系メディアを対象に執筆やディレクター業務に従事。投資歴7年。FXと仮想通貨をメインにトレードしています。ファンダメンタル分析よりかはテクニカル分析を好む。最近はNFT(非代替性トークン)の詐欺事例、法的問題について関心あり。
大学対抗戦「暗号資産バトル」競技ルール
・元本は1万円。
・通貨の選定は自由。ただし、国内の事業者で買える暗号資産に限定。
・レバレッジはかけられません。
・20%を超えて下げた場合は、強制的に取引を停止(ロスカット)とする。
・元本割れは1回まで。2回、資産を失った場合は、その時点でリタイアとする。
・運用期間は6か月。最終週時点での資産増減額で順位を決める。
学生投資連合USIC
「学生の金融リテラシー向上」を理念に全国26大学1000人以上で構成。企業団体・官公庁との勉強会の開催、IRコンテストの運営、金融情報誌「SPOCK」を発行する。
http://usic2008.com/