「ワイン」とは奥深く難しいもの...ではない!
飲み屋でワインを注文することも、スーパーやデパートのワイン売り場に足を運ぶこともあります。しかし、ラベルには一体なにが書いてあるのか解読不能。千円のワインに比べて二千円のワインは、二倍おいしいの? ソムリエがよく口にする「ビロードのような舌触りってなに?」。筆者である私は、正直なところ、ワインに苦手意識を持っていました。
また、ワイン好きがよく口にする「マリアージュ」も苦手です。意味がよくわからないし、使用する場面がわかりません。店員さんやソムリエにワインの好みを聞かれても答えようがありませんから、おすすめの中から選べばいいや! となってしまいます。「ワイン」とは奥深く難しいものと考えていました。
ところが、この本は、生粋のアニメオタクからワインソムリエになり、いまは小さなワイン酒場のオナーソムリエをつとめる筆者が、「ワイン」を、まるでハビットのドット絵のように、オタク目線でおおざっぱに単純化して説明した「ワインのことがなんとなくわかった気になる」ワイン入門書です。
「ワインなんて世界中どこでも、日常的に飲まれているものです。なんなら『お水』よりも安いものだってたくさん存在します」と小久保さんは言います。
「ワインがとっつきにくい」のは、偉いワイン専門家の方々が書いている入門書やガイドブックが、どれも格式高くまとめられているからです。ワインの世界を理解するために必要なのは、正しい知識や歴史的背景ではなく、「ときめき」なのです。ときめくポイントさえわかればワインがもっと楽しくなるはずです。もっと気楽にワインを飲みましょう。
(尾藤克之)