円安加速1ドル147円突破! どうなる世界経済? エコノミスト「米株価下落、リーマン・ショック時そっくり」、「ドル1強、金融危機招く」?

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米株価下落は「リーマン・ショック時に非常によく似ている」

株価が乱高下したニューヨーク証券取引所
株価が乱高下したニューヨーク証券取引所

   国際金融市場の緊張といえば、米国の株価の動向が世界的な金融危機を招いたリーマン・ショック時(2008年9月)に似ていると指摘するのが、三井住友DSアセットマネジメントのチーフマーケットストラテジスト市川雅浩氏だ。

   市川氏はリポート「過去の歴史的な下落局面と似た動きをたどる米国株」のなかで、現在の米国株は「弱気相場入り」をしているという。

   一般に、株価が直近の高値から20%下落すると「弱気相場入り」と解釈される。「コロナ・ショック時」も、米S&P500指数は20%を超えて、33.9%下落した。今回もこの約9か月間で25.3%下落しているが、値動きが「コロナ・ショック時」とはかなり異なり、「リーマン・ショック時」に「非常によく似ている」というのだ=図表参照

(図表)リーマン・ショック時のS&P500種株価指数(三井住友DSアセットマネジメントの作成)
(図表)リーマン・ショック時のS&P500種株価指数(三井住友DSアセットマネジメントの作成)
「(リーマン・ショック時には)S&P500指数は、2007年10月9日から2009年3月9日まで、約1年5か月にわたって下げ続け、下落率は56.8%に達しました。その後、S&P500指数がこの下げを埋めて、2007年10月9日の高値を更新したのは 約4年1か月後の2013年3月28日で、株価の回復までにかなり長い時間を要しました」

   そのS&P500指数の値動きと、今回の値動きを重ねると、よく似ていることが分かる=再び図表参照

   ただ、市川氏はこう指摘する。

「単純に値動きを比較しただけですので、ここから先、リーマン・ショック時のように、株価がさらに下落するとは限りません。しかしながら、特にアメリカでは今回、インフレはかなり粘着的で、なかなか落ち着く兆しがみられません。このような状況のなか、米金融当局も、手探り状態で大幅な利上げを継続しているため、ここから先、米金融当局や市場の想定以上に、米国の景気が悪化してしまう恐れはあります」

   リーマン・ショック時は、金融システム機能が著しく低下したため、株価の回復に4年超の時間を要した。

「今回は、インフレの問題はかなり深刻ですが、金融システムは正常であり(中略)S&P500指数が一段安となるリスクは残るものの、その後の株価の回復は、リーマン・ショックの時ほど長い期間はかからないとみています」
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