財務省幹部、介入について「言う時もあれば、言わない時も...」
このため金融市場場では、米連邦準備理事会(FRB)が11月に0.75%、さらに12月にも0.75%と大幅利上げを継続するとの見方が強まり、日米の金利差が意識されて一気にドル買い円売りの動きが広まった。
10月13日の外国為替市場では円安が加速、一時1ドル=147円66銭を付けた。政府・日本銀行が9月に円買いドル売りの為替介入に踏み切った1ドル=146円前後の「防衛ライン」を突破してしまった。
1ドル=147円66銭は1990年8月以来、32年ぶりの円安・ドル高水準となる。日本経済は1991年にバブル崩壊を経験しているが、その入り口となった1990年の水準まで円の価値が落ち込んだわけだ。
目下の焦点は、政府・日銀が再び為替介入に踏み切るか、あるいはすでに実施したのかだ。日本経済新聞の報道によると、財務省幹部は10月14日、記者団から「介入を実施するのか、もう実施したのか」と問われたが、「言う時もあれば、言わない時もある」と介入の有無の明言を避けたという。もっとも、市場関係者の間では「介入を実施しても効果は限定的なものになる」との見方も出ている。