「物価高倒産」過去最多! コロナ・人出不足で「経営体力」限界な中小企業に、円安&ウクライナ危機、最後の追い討ち

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   物価高倒産の勢いが止まらない――。帝国データバンクが2022年10月11日に発表した「特別企画:『物価高倒産』動向調査(2022年上半期)」で明らかになった。

   2022年度上半期の「物価高倒産」は159件となり、調査開始の2018年以降で最多だった前年同期(75件)から2倍以上に増加した。年末にかけてさらに増える見込みだという。

  • 年末にかけて景気後退の足音が…(写真はイメージ)
    年末にかけて景気後退の足音が…(写真はイメージ)
  • 年末にかけて景気後退の足音が…(写真はイメージ)

1都6県、北海道まで手広く営業した電気工事業者だったが...

   コロナ禍や人出不足などで経営体力が限界に達した中小・零細企業を中心に、物価高が「最後の追い打ち」となり、経営破綻に追い込まれるケースが多い。帝国データバンクによると、2022年度上半期(4月~9月)には159件発生し、過去最多だった昨年(2021年)同時期(75件)の2.1倍に達した=図表1参照

(図表1)物価高倒産の年度別発生件数推移(帝国データバンクの作成)
(図表1)物価高倒産の年度別発生件数推移(帝国データバンクの作成)

   159件を業種別にみると、人手不足が深刻な「建設業」(40件)がトップで、全体の25%を占めた。以下、物流コスト上昇を運賃に転嫁できずに苦しむ「運輸・通信業」(37件、23%)、コロナ禍によって操業減などに追い込まれた「製造業」(29件、18%)、「卸売業」(24件、15%)と続いた=図表2参照

(図表4)物価高倒産の業種別(2022年度上半期)(帝国データバンクの作成)
(図表4)物価高倒産の業種別(2022年度上半期)(帝国データバンクの作成)

   具体的に倒産のケースを見ていくと――。

   (1)(株)和興電気(東京都)。負債額約6億6139万円。2006年12月設立の電気工事業者。マンションやオフィスビル、工場、倉庫、施設(老人ホーム、病院など)の屋内外の配線・取付工事を行っていた。営業エリアは1都6県を中心に北海道にも営業所を構え、積極的に案件を獲得。2021年9月期には年売上高約8億3300万円を計上していた。

   しかし、新型コロナの影響で工事の遅れが発生。今年2月からは電気工事だけでなく工事一式の下請け受注を開始したが、ウクライナ危機や中国のロックダウンの影響もあり、電材の仕入れ価格が高騰、資金繰りが悪化した。取引先への支払い遅れや社会保険料の未払いなどが発生。7月には代表以外の役員が辞任するまでに追い込まれた。

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