主要事業は大企業向けのプロジェクト型「AI実装支援」
ALBERTは「データソリューション事業」の単一セグメントですが、大きく「プロジェクト型ビジネスモデル」と「月額課金型ビジネスモデル」の2つの事業を行っています。
前者の「プロジェクト型」では「AI実装支援事業」と「データサイエンティスト育成支援事業」を、後者の「月額課金型」では「AIプロダクト事業」を行っています。
売上高比率が最も高いのは「AI実装支援事業」で、全体の約85%を占める主要事業です。主に、大手企業向けにAI利活用を目指すプロジェクト型支援サービスで、AI活用コンサルティングからビッグデータ分析、AIアルゴリズム開発、AIシステム実装まで、一気通貫の支援体制を備えています。
ALBERTを買収したアクセンチュアは、おそらくこの部分を今後新たな自社サービスとして提供していくものと思われます。
「データサイエンティスト育成支援事業」の売上高構成比は約10%。企業内のデータサイエンティスト育成を支援するサービスで、経産省「第四次産業革命スキル習得講座」(通称:Reスキル講座)の認定を取得しています。
「AIプロダクト事業」の売上高構成比は約5%で、AI・高性能チャットボット「スグレス」や、AI・画像認識サービス「タクミノメ」といった、AIを搭載した汎用的なプロダクトの提供を行っています。なお、今後は売上高95%を占めるプロジェクト型事業に経営資源を集中するため、2022年7月1日をもって「スグレス」事業を株式会社ショーケースに売却しています。
なお、プロジェクト型事業では、2018年のトヨタ自動車との資本業務提携を皮切りに、東京海上日動火災保険、KDDI、三井住友フィナンシャルグループ、マクニカ、日本ユニシス、マイナビ、SBIホールディングスといった重点産業の主要企業と業務提携または資本業務提携を締結。これが功を奏して、2018年以降の年平均成長率(CAGR)は39.9%と非常に順調です。
また、2021年12月期の主要顧客は、KDDIとアクセンチュアのジョイントベンチャーであるARISE analytics(アライズ・アナリティクス)からの売上高が7億1829万円、ヤマト運輸が同4億5623億円で、この2社で全体の3分の1を占めています。