株価は軟調な動きか!? 1000円超の上昇も不安材料はいっぱい......(10月11日~14日)【株と為替 今週のねらい目】

   東京株式市場の日経平均株価は先週(2022年10月3日週)、米国株が大きく反発したことを受けて、1週間で1000円超も上昇。ひと息ついた。しかし、不安材料は山積。米国株は軟調。利上げ懸念が再燃していることに加えて、原油価格が上昇していることもマイナスだ。

   一方、ドルは堅調なようす。日本政府と日本銀行は「伝家の宝刀」を、9月22日に抜いてしまった。日米の金利差拡大という構図に変化はなく、ドル高を止めるには再度の為替介入しかないのかもしれない。

   どうなる!? 今週の株式・為替マーケット!

  • 1週間で1000円上昇も...... どうなる株価!?
    1週間で1000円上昇も...... どうなる株価!?
  • 1週間で1000円上昇も...... どうなる株価!?

東京株式市場 FOMCの議事要旨に注目!

日経平均株価予想レンジ:2万6000円~2万7500円

2022年10月7日(金) 終値 2万7116円11銭

   今週の東京株式市場の日経平均株価は、軟調な展開か。

   前週の東京株式市場の日経平均株価は、4週間ぶりに大幅反発した。FRB(米連邦準備制度理事会)が利下げに転換するとの期待感が高まり、米国株が反発。これを受けて、日経平均株価も週間で1178円も上昇した。

   今週の日経平均株価は、軟調な展開となりそうだ。前週末の米国の9月の雇用統計発表を受け、米ニューヨーク株式市場のダウ平均株価が630ドルを超える大幅下落となっている。

   FRBの複数の高官が利下げ期待を打ち消す発言を行ったことで、利下げ期待感が急速にしぼみ、利上げ懸念が再燃している。加えて、OPEC(石油抽出国機構)プラス会合が、予想以上の大幅減産を打ち出したことで、原油価格が上昇していることも懸念材料だ。12日に発表される9月20~21日開催分のFOMC(米連邦公開市場委員会)議事要旨の内容が注目される。

東京外国為替市場 ドル、堅調な動きか!?

ドル・円予想レンジ:1ドル=143円00銭~147円00銭

2022年10月7日(金)終値 145円33銭

   今週の外国為替市場でドル円相場は、ドルが堅調な動きか。

   前週のドル円相場は、ドルが上昇した。米国で強まっていた利下げ期待感が否定されたことで米国の長期金利が上昇し、ドルは一時1ドル=145円半ばまで上昇した。

   今週のドル円相場は、ドルが堅調な動きとなりそうだ。日米の金利差の拡大という構図に変化はなく、ドルの上値を抑える要因は日本政府・日銀による為替介入しかない。

   焦点となるのは、米国の経済指標により、利上げ観測が米国の利上げにどのように影響するのか。インフレ鎮静化が示唆されれば、ドルの上値は重くなり、その半面、インフレ加速が示唆されれば、ドルは一段高となる可能性がある。米国の経済指標には要注意だ。

   経済指標は、国内では11日に9月の景気ウォッチャー調査、12日に8月の機械受注、13日に9月の企業物価指数、14日にオプションSQ(特別清算指数)算出などの発表が予定されている。

   海外では、12日に米国の9月の卸売物価指数、FOMC議事録(9月20~21日開催分)、13日に米国の9月の消費者物価指数、14日には中国の9月の消費者物価指数と生産者物価指数、9月の貿易収支、米国の9月の小売売上高などの発表が予定されている。

(鷲尾香一)

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