日本ではまだなかった「ステマ規制」検討始まる...調査では、現役インフルエンサー4割「依頼経験あり」、引き受けた人の6割「理解低かった」(鷲尾香一)

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   ステルスマーケティングという言葉をご存じだろうか。たとえば、有名人が自身のブログなどで、広告であることを隠したまま、宣伝を行うことを指す。消費者庁はステルスマーケティングに対する規制に向け、検討を開始した。

  • ステルスマーケティングの実態とは?(写真はイメージ)
    ステルスマーケティングの実態とは?(写真はイメージ)
  • ステルスマーケティングの実態とは?(写真はイメージ)

商品やサービスの紹介に利用するソーシャルメディア...1位「インスタグラム」86.0%

   ステルスマーケティングは「消費者に宣伝と気付かれないように行われる宣伝行為」と定義され、(1)事業者が自ら表示しているにもかかわらず、第三者が表示しているかのように誤認させる(なりすまし型)、(2)事業者が第三者に金銭の支払その他の経済的利益を提供して表示させているにもかかわらず、その事実を表示しない(利益提供秘匿型)の主に2つに分類される。

   たとえば、有名人などが広告報酬を得ていながら、自分のブログなどで商品を広告ということを明かさないまま、「とてもいい商品」として取り上げたりするケースだ。

   消費者の利益を保護するために商品やサービスの広告内容を規制している現在の「景品表示法」では、ステルスマーケティングを規制することができない。OECD(経済協力開発機構)加盟国の上位9か国で、ステルスマーケティングに対する規制を持っていないのは、「日本のみ」だ。そこで、消費者庁はステルスマーケティングに対する規制の検討に乗り出した。

   2022年9月16日に開催された「第1回ステルスマーケティングに関する検討会」では、現役インフルエンサーに対して行われたアンケート結果が公表され、ステルスマーケティングの一端を垣間見ることができる。

   インフルエンサーとは、「世間に与える影響力が大きい人物」を指す英語だ。そのインフルエンサーを利用して広告・宣伝を行うことは、インフルエンサー・マーケティング(あるいはSNSマーケティング)と呼ばれる。

   アンケート調査は広告主とインフルエンサーをマッチングさせるプラットフォームを運営しているリデルを通じ、同社に登録するインフルエンサー300人を対象に行った。

   調査の結果では、商品やサービスの紹介に利用するソーシャルメディアとしては、インスタグラムが86.0%と圧倒的に多く、次いで、ティックトックの5.7%、ツイッターの5.3%となっている=表1

鷲尾香一(わしお・きょういち)
鷲尾香一(わしお・こういち)
経済ジャーナリスト
元ロイター通信編集委員。外国為替、債券、短期金融、株式の各市場を担当後、財務省、経済産業省、国土交通省、金融庁、検察庁、日本銀行、東京証券取引所などを担当。マクロ経済政策から企業ニュース、政治問題から社会問題まで、さまざまな分野で取材。執筆活動を行っている。
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