スシロー、くら寿司、元気寿司...消費者の信頼裏切る事案
そんな中、消費者の信頼を裏切る事案も頻発している。
たとえば、スシローでは6月、21年販売した期間限定商品を巡って、品切れなどで販売できない店舗があったのに宣伝を続ける「おとり広告」をしたとして、親会社が消費者庁から措置命令を受けた。
22年7月には生ビール半額イベントで品切れが続出。さらに10月1日からのキャンペーンで提供予定だった仕入れ値が安いキハダマグロを、一部の店舗で誤って9月下旬に通常のメバチマグロのにぎりの「まぐろ」「漬けまぐろ」で使用したことが発覚している。
あるいは、くら寿司では2019年、アルバイトの少年がゴミ箱に捨てた魚をまな板に戻す動画を公開し、従業員の管理に問題があるとして、会社側も批判を浴びた。
ほかに、元気寿司では22年9月29日、新店舗建設に絡み、担当部長が架空発注などでキックバックを受けたとして、この部長を懲戒解雇し、社長を取締役に降格させた。
そして、今回のカッパ社の事件だ。
もちろん、それぞれの事案は原因や動機などは異なり、一概に論じられない面はあるが、急成長する勢いのある業界で、ライバル社への転籍など人材の流動性も高いこともあって、「個々の社はもちろん、業界全体としてコンプライアンスに取り組む時期に来ている」(大手紙経済部デスク)との指摘が出ている。(ジャーナリスト 済田経夫)