「本人のために」と注意しても、素直に聞こうとしない部下...どう育てる?【上司力を鍛えるケーススタディ CASE 13(後編)】(前川孝雄)

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部下と同じ側に立つように心がける ~一緒に悔しがりましょう!

   部下とコミュニケーションの密度を高める方法の一つは、仕事のなかで意識をして部下と喜怒哀楽を共にすることです。

   部下に仕事をしっかりと任せることは大事ですが、決して放置せず、必ず要所要所で報連相(報告・連絡・相談)を受けましょう。報連相は、仕事の進捗管理のためだけではなく、部下と喜怒哀楽をともにするチャンスです。

   たとえば、部下がお客様に商品の提案を行う前には、部下から状況を聞きましょう。部下が準備にどう取り生んだか、産みの苦しみや工夫を共有します。提案内容が決まったら、「それでいいよ」と単に承認するだけではなく、「よし。その内容で、ぜひ提案しよう!」と一緒に出した結論として後押しします。

   さらに、もし提案が通らなければ「残念だったね」と慰めるのではなく、ともに悔しがりましょう。部下の話や体験を、上司が「自分事」にするのです。

   部下からすると、上司は「許可を受ける」「承認される」「決裁をもらう」という「対峙する相手」になりがちです。そこで、報連相を通して仕事のプロセスを共有しながら、あなたのほうから部下と同じ側に立つよう、心がけることが大切です。そうすることで、部下との信頼関係がより深まるのです。

※「上司力」マネジメントの考え方と実践手法についてより詳しく知りたい方は、拙著『本物の上司力~「役割」に徹すればマネジメントはうまくいく』(大和出版、2020年10月発行)をご参照ください。
※「上司力」は株式会社FeelWorksの登録商標です。


【プロフィール】
前川 孝雄(まえかわ・たかお)
株式会社FeelWorks代表取締役
青山学院大学兼任講師、情報経営イノベーション専門職大学客員教授

人を育て活かす「上司力」提唱の第一人者。リクルートを経て、2008年に管理職・リーダー育成・研修企業FeelWorksを創業。「日本の上司を元気にする」をビジョンに掲げ、「上司力研修」「50代からの働き方研修」「eラーニング・上司と部下が一緒に学ぶ パワハラ予防講座」「新入社員のはたらく心得」などで、400社以上を支援。2011年から青山学院大学兼任講師。2017年働きがい創造研究所設立。情報経営イノベーション専門職大学客員教授、一般社団法人 企業研究会 研究協力委員、一般社団法人 ウーマンエンパワー協会 理事なども兼職。連載や講演活動も多数。
著書は『50歳からの逆転キャリア戦略』(PHP研究所)、『「働きがいあふれる」チームのつくり方』(ベストセラーズ)、『コロナ氷河期』(扶桑社)、『50歳からの幸せな独立戦略』(PHP研究所)、『本物の上司力~「役割」に徹すればマネジメントはうまくいく』(大和出版、2020年10月)等30冊以上。近刊は『人を活かす経営の新常識』(FeelWorks、2021年9月)および『50歳からの人生が変わる 痛快! 「学び」戦略』(PHP研究所、2021年11月)。

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